不正解、食べられます!
オオダイアシベニイグチ食毒不明

自然の森は、心が安らぐ場所、
と思っている人はきっと少なくないでしょう。

しかし、いざ、実際に、
森、いわゆる原生林へ出かけてみると、
道が無いので歩きづらかったり、
くまさんなど獰猛な動物がいたり、
スズメバチなどちょっと怖い昆虫がいたり、
ヤブカやヌカカなど不快な吸血昆虫がいたり、
と、メリットばかりではありません。

もしかしたら、未知の殺人ウイルスだって、
うようよいるかもしれません。

でも、そんなデメリットをいくつ数え上げたとしても、
ぼくにとっては、森の魅力はまったく変わらず、
いつもいつも阿寒の森に入り浸っているわけです。

森の魅力のうち、1、2位を争うのが、
きっと「緑」ではないかと。
新緑の季節の、木々の葉の美しさときたら、もう。
「優しい」という言葉がぴったりです。

人間の眼の構造からしても、
視覚の感度のピークは緑色にあるとか。
人間は太陽からさんさんと降り注ぐ7色の光の中でも、
緑の光にはとても敏感なんです。

そんな、緑の森に、真っ赤なきのこ。
牛ではありませんが、興奮しないわけありません。
オオダイアシベニイグチです。

オオダイアシベニイグチは、夏に、
トドマツなど針葉樹の森の地面から発生します。

傘はまんじゅう形で、直径は4~6cmほど。
鮮やかな赤黄色~黄褐色です。

イグチの仲間なので、傘の裏側にはヒダはなく、
小さな孔が集まった管孔があります。
淡黄色~オリーブ色で、傷つくと青く変色します。

柄は上部が赤黄色で、下部は黄色。
高さは10cmくらいになります。

食不適。
イグチの仲間は比較的食用になるものが多いし、
オオダイアシベニイグチに似たきのこでも、
食べられるものがあったりしますが、
安易に食べるのは危険です。

オオダイアシベニイグチは、
漢字だと「大台足紅猪口」と表記します。

大台は奈良県の「大台ケ原」のこと。
そこで見つかった、足(柄)が赤いイグチ、
という意味ですね。

ちなみに、
傘の裏に管孔を持つことが多いイグチの仲間ですが、
なぜ「猪口(いぐち)」と名付けられているのか、
実ははっきりと分からないようです。

それにしても、
緑と赤は補色の関係で、
とてもメリハリがきいているので、
原生林に生えるオオダイアシベニイグチは、
見ていてまったく飽きませんね。

緑は目に優しい、とよく言われますが、
自然が大好きな人にとっては、
森へ行くといろいろ凝視してしまうので、
緑がたくさんあっても目が疲れる場合が多々あります。
残念(笑)。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。