不正解、食べられます!
イタチハリタケ食毒不明

きっと多くの人が未経験だと思うのが、
厳冬期の阿寒の気温でしょうね。
早朝であれば、-30度近くまで冷え込みます!

-20度以下になると、屋外に出た瞬間、
鼻毛がぴりぴりと凍るのが実感できます(笑)。
森を歩く場合、寒いからと、厚着をすると、
想像以上に汗をかいてしまい、
それが、行動中に、凍るんです。
これ、大げさではなく、命に関わります。

はじめて冬の阿寒を訪れたとき、
ダウンジャケットを着て森を歩いたんです。
けっこう汗をかいたので脱いだところ、
汗が内側でびっしりと凍りついていて、
そりゃあ、ビビリました。

濡れた紙を巻き付けた缶ビールを、
冷蔵庫の中に入れたらどうなるか……。
そんな状態で森を歩いていたわけです。

冬の行動は、何より汗をかかないことが重要なので、
経験的には、気温プラス15度ほどの服装にします。
ぼくは、寒さには、そこそこ強いので、
(というか、超暑がりなんです)
例えば、気温が0度くらいだとするなら、
長袖Tシャツに薄いアウターで十分です。

そのかわり、休憩したり、写真を撮影する場合には、
すぐさま、ダウンジャケットやフリースを着込みます。
動かないと一気に寒くなりますから。

このイタチハリタケを撮影した場所は、
雄阿寒岳の麓にある、ヒョウタン沼の近くで、
阿寒湖周辺でも特に寒い場所なんです。
でも、そんな冬の寒さは癖になり(笑)、
何回も訪れたいと思うんですよね。

さて。
イタチハリタケは、
もちろん、冬のきのこではありません。
夏から秋にかけて、針葉樹、広葉樹を問わず、
森の地面から発生します。

傘は、直径4~10cmほどで、円形だったり、
真ん中が凹んだまんじゅう形だったりします。
表面は微毛に覆われていて、淡赤褐色。
この色を、イタチの毛色に見立てて、
名前が付けられたわけですな。

傘の裏側は、ヒダではなく、
長さ2.5~4mmほどの「針」が、
規則正しくびっしりと密生しています。

柄は白く忠実で、下へ行くほど細くなります。
傘の中心からずれて伸びていることも多々あります。

食毒不明。
近縁種?で同じく傘裏が針状になっている、
カノシタは食菌として知られていますが、
こちらは、要注意、です。

ちなみに、厳寒期に行動するときは、
足先と手を冷やさないことも重要です。
一度冷えてしまうとそう簡単には暖かくなりません。

足もレイヤリングが基本で、防寒ブーツの下は、
速乾性や厚手のソックスを組み合わせます。

厚手の手袋をしていても手先が冷えてしまった場合、
思いっきり重宝するのが、いわゆる化学カイロ、
ベンジンなどを使う、ハクキンカイロです。
いわゆる使い捨てカイロは、極寒の阿寒では、
ポケットに入れておいてもすぐ冷えてしまい、
ほとんど使い物になりません。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。