正解、食べられません!
ヒトヨタケ毒

ぼくの場合、文章を書くことも、
写真を撮影することも、音楽を聴くことも、
デジタル技術の恩恵なしには、
ほぼ不可能になりつつあります。

デジタルデータは劣化しないから永遠の寿命を持つ、
などと言われることがありますが、
たとえ、もし、デジタルデータが永遠だとしても、
デジタルデータを記録する装置が永遠じゃないので、
結果的には、デジタルデータも永遠じゃないかも、
などと思っています。

どこかで聞いた話で、ぽんと膝を打ったのは、
古代エジプトで使われていた石(あるいは粘土板)は、
現在まで何千年にわたって情報を保存している。
つまり、最強の情報保存媒体は石である、
というもの。
確かになあ……。

ある日、突然、
HDDが認識されなくなってしまい、
「永遠」であるはずのデジタルデータが、
予想外に儚く寿命を迎えてしまったときの戦慄!
ひいいい。

デジタルカメラで写真を撮影するカメラマンにとって、
デジタルデータの保存方法は最重要課題でもあります。

あ、話が、脱線、脱線(笑)。
きのこの話をせねば!

長寿をほこるきのこ(=子実体)がいれば、
はかない寿命のきのこもいます。

はかない寿命のきのこの代表格は、
名実ともに、ヒトヨタケでしょう。

ヒトヨタケは、夏から秋にかけて、
落ち葉の堆積地や草原、畑などの地面から発生。
傘は鐘形で、灰色〜淡褐色、直径は5〜7cm、
中央部に鱗片、周縁部に条線があります。
柄は白く絹のような光沢を持ち、中空です。

ヒダは最初白く、やがて、1〜2日ほどで、
黒くなりつつ液化し、柄だけが残されます。
(これがヒトヨタケの名前の由来)

しかし、空気が乾燥していると、
幼菌状態で乾いてしまう場合もあります。

コプリンという物質を含み、
アルコールを摂取しつつ食べると、食後すぐに、
顔が赤くほてる、頭痛、発汗、ひどい場合には、
呼吸困難、痙攣、頻脈などなど、悪酔い状態に。
お酒好きにとっては、猛毒とも言えるきのこですな。
ただし、症状は、通常数時間でおさまるとか。

幼菌の味はそこそこいいらしいので、
お酒をまったく飲まない人にとっては、
食菌だと思ってもよいかと。
ただし、幼菌を見つけたあとぼやぼやしていると、
溶けてなくなっちゃうかも……(笑)。

きのこ(子実体)の役割は、
胞子をつくって散布することなので、
ヒトヨタケは、おそらく、
胞子もろとも液化して落下させることで、
ほぼ同じ場所で次世代に命をつなぐ作戦なのでしょう。
儚い命でも胞子散布の確実性は担保されそうです。

デジタルデータの保存方法は、
本当に悩ましい問題です。
これぞ!という方法がありましたら、
ぜひご教授いただきたく存じます、はい。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。