不正解、食べられません!
ムラサキフウセンタケ食不適

ぼくはもう、かれこれ20年以上も、
内地の夏(の暑さ)を経験してないので、
最高気温が38度!あるいはそれ以上!
などと聞くと、それだけでも、
体がだるくなるような錯覚を覚えます。

北海道東部に位置するとはいえ、
阿寒湖も夏はけっこう暑くなるんです。
年に1〜2回くらい最高気温が30度を超えたりしますが、
それでも、夜にはほぼ確実に20度を下回るので、
暑くて寝苦しいということはほとんどありません。
そして、お盆休みが終わると、秋風が吹きはじめます。

そんな、北国の夏の暑さが盛りを過ぎたころ、
森へ行くと、ムラサキフウセンタケがにょきにょき。
美しい紫色で、けっこう大きなきのこなので、
けっこう目立つんですねえ、これが。

広葉樹林に生えるのがムラサキフウセンタケで、
針葉樹林に生えるのがミヤマムラサキフウセンタケで、
なんか、正確に言うと、両者は違うらしいのですが、
分類マニアではない、一般的なきのこ好きとしては、
森の地面から顔を出している、美しい紫色のきのこを、
心ゆくまで鑑賞するのみです(笑)。

ちなみに、この写真を撮影した場所は、
針葉樹も広葉樹も両方生えている針広混交林なので、
この紫色のきのこの正確な名前はわかりません……。
あしからず。

便宜上、以下、このきのこが、
ムラサキフウセンタケだということで、
話を進めていきます(笑)。

ムラサキフウセンタケは、夏から秋にかけて発生。
高貴な感じさえ漂う暗紫色の傘は、直径5〜12cmで、
微毛やササクレがびっしりと覆っています。

ヒダは、暗紫色のち錆褐色で、やや疏。
成菌を持ち帰って、柄を切り取った傘を、
ヒダが下になるように紙の上に置いて放置すると、
(風が当たらないように容器などで覆います)
真っ茶色の胞子が下に落ちるので、
3〜6時間くらいで「胞子紋」ができあがります。

柄は中実で傘とほぼ同色、繊維状で、長さ6〜12cm、
フウセンタケの仲間でよくみられるのですが、
下部が膨らんでいます。

触るとからからに乾燥している感じで、
しかも思った以上に軽いのが印象的です。

おいしくないけど食べられる、
と書いてある図鑑もあるのですが、
消化器系の中毒を引き起こすオレナリン類を含むため、
最近では、食べない方がいい、とされています。
美しいきのこですから、目でじっくりを味わいましょう。

夏の涼しさは北海道の魅力のひとつですけど、
実は、冬の寒さもまた格別なんです。
暖かくして、ぜひ、真冬の阿寒湖にもお出であれ。
楽しさは、保証します!

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。