ご用心!食べられないんです!
ツチグリ食不適

「きのこの話」なのに、なぜ、柴犬!
と、思った方もいらっしゃるかと(笑)。
我が愛犬、はなさんです。
この写真を撮影したのは2015年3月下旬なので、
ちょうど11歳になったばかりの頃。

読者の方々にはあまり関係ないのですが、
実は、「きのこの話」は、今回で、連載300回!
まあ、なんとなく、記念ということで、
はなさんにご登場願おうかなあ、と……(笑)。

連載は、2011年3月1日からスタート。
(あの東日本大震災の10日前です!)
以降、本日まで、週に1度、
休むことなく、きのこをご紹介してきました。
開始当初は毎週火曜日に掲載されてきましたが、
しばらくしてから菌曜日に変更となりました。

トップページを下にスクロールすると、
きのこ、きのこ、きのこ……。
もしかしたら、きのこの専門サイトでも、
300ものきのこ写真が並んでいるのは、
あまり例がないのではないかと。
壮観、のひと言です。

今後とも、お付き合いのほど、
どうぞよろしくお願いします。

さて。
はなさんの足元には、
無数のきのこが散在しています。
ちょっと古いけど、ツチグリです。

いつものお散歩コースの小さな貯水ダムなのですが、
これほどたくさんのツチグリが、
一か所にまとまっているのを初めて見ました。

この写真を撮影したのは群馬県ですが、
北海道の阿寒の森でも普通に見ることができます。

ツチグリの幼菌は、その名前どおりに、
まさにクリ(の実)のような形をしていて、
土の中に半分埋まっている姿をよく見かけます。
(最盛期は夏から秋にかけて)
灰褐色で、直径2.5~3.5cmくらい。

成長すると厚い外皮が6~20片に裂け、
(内側のレンガ的ひび割れ模様?がすごく素敵!)
湿度が高くなると開き、低くなると閉じる、
という動きを繰り返します。
(学名を日本語に訳すと「星の湿度計」)

外皮が開いた状態は、何というか、
星形に皮をむいたミカンのような形。
「実」のてっぺんに穴があいていて、
雨粒や動物に踏まれるなどの刺激を受けることで、
ぶはぶはと褐色の胞子を放出します。

成菌は乾燥していて軽いので、
風に吹かれてころころ転がりながら、
胞子を撒き散らす、なんてこともあるみたいです。

東北地方などでは、幼菌を食べる、
という話も耳にするのですが、
まあ、基本的には、食べるには適しません。

もし森でツチグリを見つけたら、
家に持ち帰って観察してみてください。
部屋の中が乾燥していると皮を閉じて丸くなりますが、
上から水をかけると、1時間くらいで、開きます。
オブジェにぴったり(笑)。

最後になりますが、読者の皆さん、
そして、糸井重里さんをはじめとして、
ほぼ日刊イトイ新聞のきのこチームの皆さん、
これまで、いろいろありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
(はなさんもどうぞ長生きしてください)

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。