剣道と海。木村拓哉がほぼ日の學校で教えるとしたら? 剣道と海。木村拓哉がほぼ日の學校で教えるとしたら?
ある日、木村拓哉さんがご自身の番組、
『木村さ~~ん!』(GYAO!)の収録で、
糸井重里に会うためにほぼ日にやってきました。
30年も前からつきあいのあるふたりですから、
カメラが回ってないときもたのしく話は続きます。

「ほぼ日の學校で教えるとしたら?」という話から、
最新アルバムに糸井が書いた詞のイメージなど、
時間ぎりぎりまで会話は続きました。
糸井重里がゲスト出演した『木村さ~~ん!』はこちら。
第3回 自然に笑えてたら
糸井
木村くんに会うとよく言うんだけど、
いつも変わらないなあと思うのは、
「近所の人」みたいな感覚がいつもあって。
木村
はははは。
糸井
それは、駆け出しのアイドルだったころから、
ぜんぜん変わってない気がする。
まあ、ふつうに考えると、木村拓哉って、
「あの人はすごくなっちゃったね」
って言われる場所にいるんだよ。
その木村くんの普段着の部分がなくならないのは
すごくおもしろいんですよね。
いや、よくキープしてると思うよ。
木村
そうですか。
糸井
ぼくの好きな人にはそういう人が多いんだよ。
どれだけすごい立場になっても、
自分をキープしてる。
それができるかできないかで、
短いピークをつくって倒れちゃうか、
人間として生き残っていくかが
決まっちゃうんだと思う。
木村
ああ、なるほど。
糸井
なんていうかな、
木村くんは犬の散歩をしながら、
犬の糞をふつうに拾うんですよ。
木村
拾ってますよ、拾ってます(笑)。
糸井
そういうところ(笑)。
まあ、当たり前といえば
当たり前のことなんだけどね。
木村
当たり前っていうか、なんなんですかね。
なんか、基本、みんなと一緒ですよ、
っていう気持ちはあるかな。
糸井
アイドルではじまったっていうのが、
よかったのかもしれないね。
つまり幻想からはじまって、
だんだん普段着の自分になっていくから。
木村
ああ、そうかもしれないですね。
若いころのほうが抵抗があったかもしれない。
糸井
楽屋で会うと「顔色悪いんじゃない?」
っていうくらいくたびれ果ててるのに、
ステージがはじまると、もう、
ニッコニコしながら飛び出してきてたから(笑)。
あれ、足がもつれるぐらい、
くたびれてるときもあったわけでしょう。
木村
ありましたね。
糸井
5回公演とか。
木村
6回公演っていうのがありました。
糸井
ふつうじゃないよね(笑)。
木村
はい、おかしいですね(笑)。
でも、いま「おかしいですね」って言ったあとに、
こう自然に笑えるじゃないですか。
糸井
うん。
木村
自然に笑えてたら、
ぜんぶオッケー、ありだなと思います。
糸井
ああー、そのことばは、
「ほぼ日の學校」だったら字幕になるね。
「自然に笑えてたら、
オッケーだと思うんですよ」って。
木村
はははは。でも、ほんとにそう思いますよ。
1日6回公演の朝1回目の公演は
9時45分スタートで、
1日6回コンサートやって、
そのまんま飛び出して新幹線に乗って、
つぎの日、大阪まで移動して
先輩のコンサートのバックで踊って。
そういうのって、当時はたいへんだけど、
回想して、あー、あんなことあったなぁー、
バカだなぁーって言って、
最終的に笑えれば、たぶんなんでもありですね。
糸井
そういうふうにいえるのは、
木村くんの心が強いからかな?
それか、だんだん強くなっていくのかね。
木村
そういう猛者たちといっぱい会ってきた、
というのはあるかもしれないですね。
糸井
ああーー。
木村
糸井さんもそのひとりだと思うし、
それこそ、さんまさんだったりとか、
そういう猛者っていっぱいいるんすよ。
糸井
ああー、さんまさんね。
この人おかしいんじゃないか、っていう強さね。
木村
そういう猛者いっぱいいるじゃないですか。
そういう人たちとお会いすることができたり、
一緒に作品つくれたり、清志郎さんもそうだったし。
糸井
そういうものに出会ったとき、
木村くんの「憧れ力」ってすごいよね。
木村
ああー。たしかに、憧れますね。
糸井
けっこう自分では先輩の役になってるはずなのに、
いつでも弟になれるよね。
すっ、と下につけるっていう才能がすごいと思う。
木村
動物なんじゃないですか。
糸井
動物! 動物か。
木村
動物だと思います。
糸井
動物それやるよね。
こーんないかつい土佐犬とかでも、
ちょっと相手が強いなと思うと、
「あ、ついて行きます‥‥」みたいな。
木村
どうもすいませんでした、っていう感じで(笑)。
糸井
動物かぁ。
木村
相手のすごいところを認めたりとか、
誰かがかっこいいって思えたりとか、
そこに人としての境ってまったくないんですよ。
そういうふうに思わせてくれたのは、
海だったかもしれない。
糸井
ああー、海。
大きいね、それは。
木村
でかかったですね。
海で、波の上で、かっこいい人はかっこいいし、
すごい人はすごい。
それはめちゃくちゃでかかったです。
剣道のつぎにでかかったかもしれない。
糸井
まったく仕切りのない世界だよね。
木村
ないです。立場もお金も関係ない。
本当に、できるやつが一番かっこいいんですよ。
ふだんなにやってようが。
(つづきます)
2022-04-22-FRI