『WILD FANCY SAMPLER』『そ・れ・ば・な』 『Little Bird Strut』


<『WILD FANCY SAMPLER』を聴きながら>

糸井 つぎは、『WILD FANCY SAMPLER』。
ボーズ これは、「妄想」の歌ですね。
いろんなことをどんどん
都合よく考えちゃうっていう。
糸井 『ツーフィンガータカ』(笑)。
ボーズ 『ツーフィンガータカ』(笑)。
これ、こういう映画が実際にあったんですよ。
ほんとにユン・ピョウが主演の
カンフー映画なんですけど。
で、みんなで、なんだよこのタイトル、
みたいなことを言ってて。
糸井 あ、ほんとにあるんだ。
ボーズ あるんですよ。
で、そのタイトルを誤解するやつも
きっといるんじゃないかっていう。
まぁ、この曲は、全体に
そういうベタな感じの展開で。
なんか、電車の中で、
かわいそうな感じのおじさんを見かけて、
「がんばれ」って言ってみたら
社長だった、みたいな(笑)。
糸井 ぜんぶオチがあるわけだ。
ボーズ そういうコントみたいな曲なんです。
これ、自分で好きなのは、
最後の、パンチパーマの人を
カトちゃんマニアだと
思い込む人の話なんですけど。
糸井 「絶対 茶マニア」(笑)。
ボーズ そうそう(笑)。
で、また妄想かと思いきや、
最後だけは妄想じゃなかった
っていうオチになるのが
好きなとこですね(笑)。
糸井 「マゴテープだけどいい?」。
これは、つまり、ビートルズの。
ボーズ そうです。
武道館のビートルズ公演の前座で
ドリフターズがやったときのテープ。
糸井 それを持っていた、というフィクション。
いや、フィクションというか
なんというか(笑)。
ボーズ ははははは。

<『そ・れ・ば・な』を聴きながら>

糸井 つぎが『そ・れ・ば・な』。
このタイトルは、なに?
ボーズ あ、これもくだらないんですけど、
ま、単に、「それていく話」。
略して「そればな」です。
糸井 あれだ、サイコロトーク。
ボーズ そうです。転がすやつ。
まぁ、内容としては、
「なんとかって言えばさ」っていうので
話がそれていくっていうやつなんですけど。
糸井 うん、うん。
ボーズ 糸井さんとの会話なんかもそうですけど、
「それっていうとさ」って感じで
どんどん話が違うとこに行くじゃないですか。
あのおもしろさがなんか
歌になったらおもしろいなぁと思って。
糸井 そういう会話が一番おもしろいもんね。
ボーズ そうなんですよ(笑)。
糸井 あの、このあいだ高知行ったときにね、
‥‥とかね(笑)。
ボーズ そう、ほんとに。
糸井 わかるわー、それ。
あ、またここでも「大木」が出てくる。
糸井 そうそう、
出したいんですよね、やっぱり(笑)。
ボーズ 「A地点からってあれ オレ持ってたよ
 シングル スンゲェ 売れたんだよ」
っていう、この曲を、永田くんは知ってますか。
── 知ってます。
『恋のぼんちシート』。
みんな持ってましたよ、ほんとに。
糸井 じゃ、誰がつくったか知ってます?
── え‥‥誰だろう。
ボーズ あれ、近田(春夫)さんなんですよね。
糸井 そうそう。
── へーーー。

<『Little Bird Strut』を聴きながら> 

ボーズ あ、それでもう、
『Little Bird Strut』になるのか。
糸井 これはなんか、
ちょっとかっこいい感じの曲でさ、
ぼくには異色だったんですよね。
ボーズ あ、そうですか。
これは、なんか、ラップではよくある
パーティーラップってやつで、
いろんなラッパーがつぎつぎに
ラップしていくっていうものなんですけど。
糸井 それのパロディー?
ボーズ パロディーっていうほどの
気持ちじゃないんですけど、
自分たちが日本でやってみるとしたら
こういう感じがいんじゃないか、みたいな。
おんなじジャンルで
『GET UP AND DANCE』って曲を
あとから出すんですけど、
その前作みたいな曲ですね、これは。
糸井 ふーーん。
その、なんていうか、
たのしそうだよねぇ(笑)。
ボーズ そうですね(笑)。
なにしろ、このとき、はじめて
自分たちでプロデュースして、
好きなようにレコーディングしてたから、
友だちをみんな連れてきて、
レコーディングスタジオで
ずーっと遊んでるみたいな感じでした。
別にラッパーじゃないやつまで、
やらせる、みたいな感じでしたね。
糸井 ねぇ。
これはだから、ぼくにはちょっと
わかんないんだけど、
彼らの世界があるんだろうと思ってた。
いいなぁ、たのしそうで、って。
ボーズ もう、そういう曲ですね。
糸井 ちなみに、どうやってつくるんですか。
もう、それぞれが、勝手に?
ボーズ みんなで、こういう曲をやろうよ
って言って、わぁーっと、
その場でみんなでつくる、みたいな。
糸井 へぇー。
ボーズ こういうふうなテーマで歌詞書いてきて、
くらいのことは決めておいて、
現場で、じゃあ順番こうしようとか、
つぎ誰々、ラップして、とか、
やりながらみんなで話して決めていく感じで。
糸井 ああ、なるほどね。
いや、なんか、やっといま、
この曲の特別性がわかった気がする。
ボーズ (笑)
糸井 あと、こういう曲って、
ライブでやるとよさそうですね。
ボーズ ええ、まさにライブでやるための曲です。
なんていうか、
『後者』とか『ついてる男』みたいな
「オチがある曲」は、
ライブでやるのがちょっと難しいんですよ。
糸井 「オチがある曲」(笑)。
バレてるからね。
ボーズ みんな、オチ知ってるから。
最後火事のやつでしょ、みたいな(笑)。
また、それが、何年か経つと、
落語の有名な噺みたいに、
どうなるかわかってても
おもしろくなってくるんですけど。
糸井 ジェームス・ブラウンの
マントショーみたいに。
ボーズ そうそう(笑)、
ああなれば、いいんですけどね。
糸井 なるほどねー。
さぁ、それで、最後が‥‥。
ボーズ うん、最後の曲が、これですね。
糸井 『彼方からの手紙』。
   
(つづきます)

 

2010-08-26-THU



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