『日本の神様』著者、
畑中章宏さん。
おかしな一団のリーダー役。
神様が好き。
グラフィックデザイナー、
祖父江慎さん。
あちこち寄り道するのが
大好き。
イラストレーター。
100%ORANGEの
及川賢治さん。
虫が好き、ハイキング好き。
ほぼ日乗組員。
ふりまわされるのが好き、
首をつっこむのも好き。
デコボココンビ。
北野天満宮を
案内してくれます。
かっこいい権禰宜さん。
大将軍八神社を
案内してくれます。
人気者の宮司さん。
第5回 後ろの正面。
ほぼ日
北野天満宮には
学問の神様、菅原道真公だけが
いらっしゃるのかと思ったら、
こんな神様も、大人気なのでした。
ソブエさんの
吉を呼ぶテクニック(という名の「情熱」)
も、あじわい深いです。
東川 こちらをごらんください。
ほぼ日 これは‥‥‥?
東川 これは「大黒さんの灯籠」といいまして。
ソブエ 大黒さん? あ、大黒様だ。


東川 大きく開けておられるのは
口なんです。
ソブエ 鼻だと思った。
ハタナカ お口でしょう(笑)。
東川 この大黒さんの口に
小石を乗せて、落ちなければ、
その石を肌身離さず
財布に入れておくのです。そうすると、
生涯お金に困らないと言われてるんですよ。
ほぼ日 トライすべきじゃないですか。
オイカワ 小石を口に乗せるのかぁ。
ソブエ 成功したやつは持ち帰る、
ということは、
いい石はここにはないんだね。
このあたりに落ちている石は
みんなダメだった石だ。
(遠ざかる)
東川 これはすごく信仰が深くて、
学生さんからお年寄りまで、
知ってる方はこぞって
石を置いていかれます。
掃除しても掃除しても、
このまわりにはいつも石が落ちてるんですよ。
ほぼ日 (あれ、ソブエさん、どこに‥‥?)
だけど、大黒様はあまり
天神様とは関係がない気がするんですが?
東川 ええ。大黒さんは商売繁盛の神様です。
この灯篭は、江戸時代頃、
京都の河原町で質屋を営んでいた
大黒組という質屋さんを中心とした
共同組合の方々が奉納したといわれてます。
大黒組というのは質屋の商売で
たいへん繁盛して大きくなったと言われています。
その方たちが奉納したということもあって、
この大黒さん祈願が浸透したようです。
これも、誰からともなく、です。
ほぼ日 ソブエさん、ソブエさーん。
ハタナカ 石をさがしに行ったのかな?
ほぼ日 牛を撫でることもそうですけど、
「誰からともなく」というのが
ここにはたくさんあるんですね。
東川 ええ、ありがたいことです、あ。
乗りましたね。
ソブエ 乗りました。
東川 なかなか乗らないんですけどね。
ほぼ日 すごい! ソブエさん、
一生お金に困りませんよ。
東川 ぜひ、その石を持って帰ってください。
ほぼ日 よかったですね、ソブエさん。
ソブエ うん‥‥コツがあって。
ほぼ日 コツがあったんですか?
ハタナカ どういうコツですか。
ソブエ 摩擦力が多い角度で、
かちっと置く。
ほぼ日 多い角度で。
理科みたい。
ソブエ

はい。真剣にやるとできますよ。

東川 ああ、それも信仰です。
オイカワ なるほど。
東川 そういうような気持ちでお願いをされて、
要はあやかる、ということです。
ソブエ 学問のおかげです。
ハタナカ 摩擦の学問のおかげですね。
適当にやっちゃ
だめだっていうことですよ。
ほぼ日 この大黒様、
お口がとても大きいですけど
昔はこんなに大きくなかったんじゃないですか?
東川 もしかしたら年々、お口が大きく平らになって
石を乗せるのが
難しくなってきているかもしれないですね。
オイカワ (石を置いてみる)
ハタナカ あ。
オイカワ 乗った。
ソブエ オイカワさんも乗った。
東川 みなさんすごいですね。
すっと乗りましたね。
ソブエ オイカワさんもぼくも
端っこに置きましたね。
真ん中の人はいない?
真ん中にチャレンジする人はいない?
ほぼ日 真ん中は乗らないでしょう。
ソブエ 真ん中、いちばん強力よー。
ハタナカ じゃあ僕、やってみようかな?
オイカワ 真ん中に乗せてください。
ハタナカ いや、真ん中はやらないですよ、
なぜかというと
落ちたときに嫌じゃないですか。
ほぼ日 でもそれは、何回も
チャレンジすればいいんですから。
ソブエ 喧嘩は勝つまでやるって言うじゃないですか。
オイカワ あ、いけるかも。
ソブエ 乗せ方ですよ、乗せ方。
ほぼ日 (‥‥乗らなそうだな)
ハタナカ 儲らないってことか?
ソブエ がんばって、がんばって。
パスカル×メートル、
ヘーベのエヌイコール‥‥‥
ほぼ日 学問の力で、ファイトー。
ハタナカ (ポロッと石が落ちる)
ショック。
ほぼ日 ハタナカリーダー、もしかして
こういうキャラになってる‥‥。
オイカワ 凶は引くし(高尾山のとき)。

〜高尾山の思い出〜
凶を引きあてたリーダーを皆がなぐさめました。

ハタナカ だからやりたくなかったのよ、
最初からぁ。
ほぼ日 まぁ、いいじゃありませんか。
ソブエ ふふふふ。
オイカワ このグループのうちふたりも
「一生困らない」なんですから
なんとかなりますよ。
 

(困ったときはソブエさんと
 オイカワさんに助けてもらいましょう、
 みなさん。つづきます!)

大黒様 大黒様は恵比寿様とともに
商売繁盛の神様として親しまれています。
また七福神の一員として
年末年始には目にする機会も多いでしょう。
神話の『古事記』では大黒様はオオクニヌシ、
恵比寿様はコトシロヌシとして登場しています。
ちなみに2012年は『古事記』ができて
1300年にあたる年です。
2012-02-10-FRI