ほぼ日の塾
二度と同じことがくり返されない、
おもしろい場です。

とにかくどうなるかわからないけど
きっとなにかいいことがありそうだし、
なにより新しい試みだからやってみよう、
という、私たちの仕事にありがちな、
肯定的見切り発車の典型として
「ほぼ日の塾」がはじまったのは2015年、
つまり3年前のことでした。
(わあ、もう3年経ったんですね)

はじめるときの正直な気持ちは
3年前、こちらに書きました。
もしも興味があったら、以下をご一読ください。

二度と同じことがくり返されない、
おもしろい場です。

創設から期を重ね、
5度目の募集をすることになったいまも、
基本的な姿勢や気持ちは変わっていません。

あいかわらず「ほぼ日の塾」には
テキストや決められたカリキュラムがありません。
わかりやすいコツやハウツーや
数字を稼ぐテクニックを教えることもありません。
それでも、集まって過ごしていただく時間は
いつもとても濃厚で、授業の時間が終わると、
伝える側も伝えられる側も、
決まってぼうっと放心してしまうくらいです。

教科書も指導要綱もない「ほぼ日の塾」は、
私たちがお伝えする「ほぼ日」の原則と、
それに対する塾生のみなさんの
能動的な質問によって進行していきます。

塾がはじまった当初はかたくても、期日が進むごとに、
切実な質問、本質的な質問が、びゅんびゅん飛び出します。
照れくさい比喩を許してもらうなら、
それはもう、青春時代のようです。

ですから、「ほぼ日の塾」は、
期によって、経験することがちがいます。
語られることや、みんなで共有することが変わります。
なにがテーマになり、どこに着地するかは、
ぼくらと、参加するみなさんが、
それぞれにオールを漕ぎながら、
そのときどきの流れに乗ったり、抗ったり、
碇を下ろして陸にあがったりしながら、
いつのまにか決まっていきます。

といっても、おそらくどの期に通ったとしても、
「ほぼ日の塾」の印象が
大きく変わるということはないでしょう。
私たちは、当意即妙に受け答えをするわけではなく、
ただ、「ほぼ日はこうしています」ということを
真面目に答えていく以外のことをしません。
ですから、切り口や視点が、
塾生のみなさんの興味や好奇心の方向によって
少々変わることはあるかもしれませんが、
きっと同じような原則や姿勢を愚直にお伝えするし、
きっと第5期もそのようになると思います。
「ほぼ日ではこういうふうにしています」とか、
「ほぼ日ではそうはしないと思います」とか、
そういう、じぶんたちがいつもしていることを、
あるいは「そこはいつも悩むんです」というような、
むしろぼくらも一緒に考えていきたいテーマを
みなさんと話すのではないかと思います。

「ほぼ日の塾」は、そんなふうに進んでいきます。
真剣な質問やテーマが場に投げられることによって、
二度と同じことがくり返されない場ができていきます。

そして、希望する40名の方に
進んでいただく「実践編」では、
複数の課題をこなしていただきます。
課題は「ほぼ日」を通じて公開されます。
その「公開されたときに感じる読者の目」こそが、
ほかのワークショップなどとは大きく異なるところです。
ふだん仕事でコンテンツをつくっている人にとっても、
(あるいはふだん仕事でなにか書いている人ほど)
特別な経験になるのではないかと思います。

また、課題を軸にした「実践編」も、
当然ですが、期によって毎回異なる展開になります。
どういう人がなにをつくるか、
もちろん私たちはわかりませんし、
たぶん、参加する人にも予想がつかないと思います。

そういうこともあって、
私たちは「ほぼ日の塾」が終わるたびに、
いつもしみじみこんなふうに思います。
思うだけでなく、いつもみんなで言い合います。

おもしろかったねぇ、と。

糸井重里があいさつで述べているように、
真剣な人たちと真剣に向き合う「ほぼ日の塾」は、
やはりとても大変で、毎回、毎回、難しい。
それでも、いつも終わったときには
やってよかったと思いますし、
自然と、おもしろかったね、つぎはいつやろうか、
ということをチームで話したりします。

「ほぼ日の塾」を経験した卒業生たちが、
ぼくらと同じように思っているかどうかはわかりませんが、
終了後のアンケートではほとんどの人が
やり甲斐とおもしろさを感じてくださっているようですし、
卒業生たちが期を超えて連絡を取り合って
いまだに会ったりしているというのも、
やっぱり「おもしろかった」からではないかなと思います。
だって、大変で難しくてつまらないことを、
人はそんなに大切にしないでしょうから。

「ほぼ日の塾」は、他にはない特別な場です。
たぶん、とても大変で、課題をこなしているときは
参加したことを後悔するくらい難しいこともあるけれど、
それを乗りこえた先には、
ここでしか味わえないおもしろさがあると思います。
急に文章がうまくなったり、
読者や「いいね」が倍増したり、
社会のからくりがわかったりはしませんが、
なにか、「あたらしいじぶん」が、
はじまるきっかけになるのではないかと思います。

一年に一度くらいしかないこの機会を、
ぜひご活用ください。
真剣なエントリーをお待ちしています。




2018年11月

「ほぼ日の塾」講師 永田泰大

永田泰大(ながた・やすひろ)
ほぼ日刊イトイ新聞乗組員。
2003年からさまざまなコンテンツを制作。
イベントの企画や書籍制作も手がける。

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