もくじ
第1回ひとが恋しい、ひとりの日 2017-12-05-Tue
第2回自分を見つめる、ひとりの日 2017-12-05-Tue
第3回リズムを戻す、ひとりの日 2017-12-05-Tue
第4回ひとり、のもうひとつのお話 2017-12-05-Tue

93年、九州生まれの会社員。おいしいもの好きが高じて、大学では農業を専攻。農業の現場、微生物、スーパーや八百屋さん巡り、料理、器、、、おいしいものがめぐりめぐっている感じがすき。好きな作家は、吉本ばななさんと山田詠美さん。マイブームは、みょうがと酒盗。

\ひとりが楽しい/浅草橋案内

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第2回 自分を見つめる、ひとりの日

2. 自分の好きを知る、白日


JR浅草橋駅から徒歩20分。
予算、1万円握っていればほしいものが買える(かも)。
営業時間13~19時。


日曜日の夕方、なんとなくまだ家に
帰りたくないなーという日にふらりとどうぞ。

昔は乾物屋の蔵として利用されていたという建物。
 
店主さんによってセレクトされたあらゆる
古い物が置いてある、古道具屋だ。
 
本当に自分の好みを探りたいときには
古い物を見るのが良いのかもしれない、と
この店に出会ってから、考えるようになった。

新しい商品については、ネットで話題・
今年の流行などの情報が世に溢れている。
意図せずとも、それらの情報が耳に入ってしまう。
世間の評判を踏まえた上で選ぶのもそれはそれで
楽しいのだけれど、何を自分が本当にいいと
思っているのか分からなくなってしまうことは
ないだろうか。

その点古い物については情報が少ないから、
フラットな気持ちで見ることができる。

錆びた金属にばかり目にとまってしまうこととか、
気泡が入ったガラスが気になってしまうこととか。
買ったものを置く場所を想像すると、いつもそれは食卓であるとか。

時間を気にせず静かに、自分の“好き”を探れるのは
ひとりで過ごすからこその醍醐味だ。

*写真は白日さんのインスタグラムより。
店主さん、素敵な写真をお貸しいただき
ありがとうございました。

 
 

3. おいしい珈琲とチョコレートで深いため息、蕪木

 


JR浅草橋駅から徒歩12分。
予算1000円。
おすすめの時間、18時半~20時。


ここは、今回紹介している中でも特にひとりで
行くのがおすすめのお店だ。

大通りから少し入ったところにある。
ぼーっとしていると通り過ぎてしまうような、
控えめな外観のお店。

看板は小さく、本当にここかな?
と、入るとき少し緊張する。
ドアを開けて店内に足を踏み入れると、
思わず背筋がすっと伸びる。
外の騒がしさと、内の澄んだ空気の対比が心地良い。

珈琲とチョコレートのお店、蕪木。
チョコレートの製造・販売と、喫茶の営業を行っている。

珈琲は自家焙煎で、店主こだわりのブレンドで提供。
両手を使って一杯一杯丁寧にネルドリップ。
チョコレートはカカオを仕入れて一から作るこだわり方。

でも蕪木さんの珈琲とチョコレートの魅力は、
そんな分かりやすいセールスコメントで
括ることができるものではない。
言葉を忘れてしまうほど、ただ、ただおいしい。

なぜこんなに、おいしいのだろう。
なぜこんなに、ふとしたときに来たくなるのだろう。

店主の蕪木さんにお話を伺った。

僕の店の目的って、一番は、お客さんに深いため息をついてもらうこと。
それは、単純においしさからくるものであってほしいと思う。
お客さんがここに来て珈琲を飲んで、なんか気持ちが整えられるとか、
少し勇気が出るとか、悲しいときに究極まで悲しくなれるとか。
僕は、そういう風に喫茶店を使っていたので。

お代は、そういう感情に寄り添う対価として
いただいていると思っています。
だから珈琲は伝えやすいこだわり云々よりも、なんていうのかな。
結局、おいしければいいと思っているんですよ。

ひとりで考え事をしていると、暗い気持ちになるのが怖くて
先にブレーキをかけてしまうことがある。
でもここならば、どんな悩みがあったとしても
おいしい幸せに支えられているからもう一歩先へいける。
おいしい珈琲が、自分の深いところへ連れて行ってくれる。

ひとりで深く息をつきたいときに、どうぞ。
 
 


各お店ごとに掲載している3つの情報について

いずれも、私のひとり時間を元にしている。
他サイトで掲載されている情報とは異なる場合があるが、
あくまでもひとり時間の目安として、どうぞ。
 
*経路時間*
身長159cm、この靴で歩いたときの時間。

 
*予算*
いつも使う金額を目安に。
 
*おすすめの時間*
並ばずにすっと入ることができて、
人を気にせずゆったり過ごすことのできる時間。
ゆっくりしたいから、いつもこの時間を狙っちゃう。

(つづく)

第3回 リズムを戻す、ひとりの日