和食器のページがなくなった
紙媒体の通販でバイヤー業務を続けて3年。
来季のカタログを出すというとき、
「食器ページ」が無くなることが決まった。
会社の売上を考え、「売れる商品」だけを
集めていく方針に変わったのだ。
残念ながら、和食器は「売れる商品」とは言いがたかった。
会社の判断なので、それについてはそのまま受け止めた。
ただ、今まで会ってきた職人さんたちの顔が浮かぶ。

「すみません、ページ縮小のため取引終了です」
なんて、言いたくなかった。
和食器の現状や職人さんの思いを知った今、
私がやりたいことは何かを考えるようになった。
和食器のために転職を決めた
和食器の世界を盛り上げたい。
作っている人たちの思いを、まだ知らない人に届けたい。
この夢を叶えるにはどうすれば良いのか考えた。

考えた末、時代の先端を行く「IT業界」から届けようと心に決めた。
スピード勝負のこの世界に、
和食器の世界観はミスマッチかもしれない。
でも、そこを上手くマッチングさせられれば、
多くの人たちに和食器を広められると思った。
そして社会人4年目で転職をして、現在に至っている。
職人さんと一般人の架け橋になれるように、粛々と働いている。
あれだけ怖かった「はまる」感情。
でも、漫画やゲームにはまった時と違う感情な気がしている。
“使命感”と一緒にはまっているからだろう、と個人的に解釈している。
和食器にはまってから6年。
今でも窯元めぐりは続いている。
ただ、歳を重ねるごとに夜行バスの旅は辛くなっているから、
バス旅はそろそろ卒業しようと思う。
まだ訪ねていない窯元はたくさんある。
全国に、焼き物の産地は60以上ある。
一人スタンプラリーをしている気分で、全国制覇したい。
私の一番好きなもの。
私のはまっているもの。
それは「和食器」と、胸を張って言える自分がいる。
