もくじ
第1回広げすぎていた、自分の冒険の地図。 2017-04-18-Tue
第2回苦手の看板を立てているのは、自分。 2017-04-18-Tue
第3回苦手でも、世紀の大恋愛でいいじゃないか。 2017-04-18-Tue

社会人5年目の27歳実家暮らし女性。なんでも省略する父親から、名前も略され、み(ぃ)と呼ばれています。趣味は野球観戦。

私の好きなもの</br>人の前で話すこと

私の好きなもの
人の前で話すこと

担当・みぃ

第3回 苦手でも、世紀の大恋愛でいいじゃないか。

「私の好きなもの」というエッセイを
書く機会をもらえたことで、
人の前で話すことが好きであったことに、
気が付いた。

気が付いたら、思ったことがある。
これは、“恋愛”に似ているのではないか、と。

きっと、得意な上に好きなことって、
両想いみたいなもので、
苦手は、言うならば片思いなのだと。

この片思いは、
相手から近づいてくれることはないけれど、
ありがたいことに、永遠に振られることはない。

片思いの楽しさが続くと思えば、
随分気持ちが楽になる。
じわじわ距離を縮めていくことができる、
一生かけた恋愛なのだ。

苦手だからでやめたら、
空回りをして、その日一日を落ち込まずに済むけれど、
奇跡と思えるような出来事を、都合よく解釈して
歓喜に浮かれることもできなくなる。

住む世界のあざやかさが違うと思う。

私は、自分の地図に「苦手」という
行き止まりを作っていた。
苦手も得意も自分がどうとらえるかの違いにも関わらず。
その方角にも地図を広げていきたかったにも関わらず。

「恋愛には、危険がつきもの。
それでも歩みたいならば、歩めばいい。
逃げるのは、いつだって自分なのだから。」

‥「苦手」の看板には、
そんな文言が付け加えられていた。

世紀をかけた、大恋愛の冒険に踏み出す方を、
私は選ぶ。
片思いって、恥をかくことばかりだ。
でも、いいことがあったときの歓喜には、
生命力が溢れていると思う。

せっかく冒険の地図に、
立ち続けていた看板に気が付けたんだ。

冒険には、恋愛が欠かせないだろう。
苦手という片思いに、飛び込んでいけば、
それでいいんだ。

(おしまい)