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第0回父が愛した寅さん 2016-11-08-Tue

台湾高雄出身、高校卒業後に日本留学し、2016年で来日10年です。普段は会社員。週末は台日系雑誌『LIP』
主催の中国語教室「カルチャーゴガク」で、Q先生として台湾の中国語を教えています。「Q」は名字の「邱(きゅう)」が由来です。日本語と中国語と翻訳が好きです。

台灣高雄人。高中畢業後到日本留學,現工作於東京。2016年即來日本滿10年。平常是上班族,週末則在台日系雜誌主辦的中文教室「Culture gogakuカルチャーゴガク」教台灣中文。「Q」這個名字來自本名姓氏「邱」的日文發音。喜愛日文中文以及翻譯。

私の好きなもの「父が愛した寅さん」</br>我喜歡的事物「爸爸所愛的寅次郎」

私の好きなもの「父が愛した寅さん」
我喜歡的事物「爸爸所愛的寅次郎」

担当・Q

私は生まれも育ちも台湾の南にある高雄で、
日本好きの父の影響で日本に来た台湾人です。
どうして来日して10年経った今も日本で生活するのか、
考えると、いつも父のことを思い浮かぶのです。
父のことはもちろん大好きですが、
父が日本のことを話す時に輝かした目はやはり魅力的でした。
その中でも好きなのは「父が愛した寅さん」です。
ただの思い出話と思われるかもしれませんが、
少しお付き合いしていただければ幸いです。
日本語はそのまま私の日本語です。間違いがあれば申し訳ありません。
また、中国語圏の方々にも読めるように、中国語の内容もご用意しました。
スクロールが長くなってしまいますが、よろしくお願いします。

華文圈的朋友大家好!
以發售HOBONICHI手帳廣為人知的公司
ほぼ日刊イトイ新聞 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN,
其實有個發表各式各樣有趣的對談,專題,文章的網路平台,
供讀者在網路上免費閱讀。
其內容通常不追逐流行,卻容易得到共鳴,打動人心。
今年開始了一個讓一般民眾也有機會
在平台上發表的課程,名為「HOBONICHI塾」
第一個課題是編輯對談,由41位塾生編輯了
作家淺生鴨×HOBONICHI社長系井重里的對談。
(*很抱歉第一個課題只有日文,無中文版本。)
第二個課題則是要塾生們以「我喜歡的東西」寫散文。
我要寫的主題是「爸爸所愛的寅次郎」。
我是在台灣高雄長大的台灣人。
受我爸的影響來日本留學,一待就是10年。
回想為何畢業後還要繼續待在日本,
想來想去還是因為有我爸的存在。
我很喜歡我爸,也喜歡他說到日本時總是閃閃發亮的眼睛。
尤其是講到電影《男人真命苦》的寅次郎時。
或許看起來只是一個女兒在回憶父親,
但如果能夠得到您的一點點的共鳴,我會非常高興的。
文筆不好,敬請海涵。
*中文皆緊接在日文下方*

父が愛した寅さん

父は映画『男はつらいよ』シリーズが大好きで、
寅さんの大ファンでした。

なんで寅さん?

もともと父は日本が大好きで、
日本に渡る回数、生涯で80回です。
北は北海道から、南は沖縄まで、
日本の隅から隅まで旅して、
たくさんの友達を作りました。

父と寅さんの「なれそめ」はというと、
日本中を旅する父を見た友人が、
 「キュウちゃん(父の愛称)って、
 台湾の寅さんみたいだね!」

と言ったのが始まりだそうです。

台湾では『男はつらいよ』の上映などなかったが、
ビデオテープを借りて、全48作、すべて観たようです。

ちょうど私が大学受験で勉強する時間が
父が家での映画鑑賞タイムでした。
渥美清さんが歌ったテーマ曲の
「男はつらいよ」は何回も聞きました。
(もちろん、一緒に歌う父の歌声もね。(笑))
受験生だったのに、うんざりするところか、
不思議に安心感がありました。
イントロを聞くだけで、親近感が湧いてきます。

いつも妹のさくらに心配され、
いつの間にか去っていき、ちょっとしたこと戻ってくる、
毎回毎回、マドンナに恋をしては失恋、
自由で恋多き寅さん、
どうやらその生き方に父は惚れたようです。

 「寅さんを見ると人情とか、
 人間っていうものがよくわかりますよ。」

こう言いながら、父は寅さんを語り始まります。
おかげさまで、私はまだちゃんと観たことないのに、
ところどころ、妙に詳しかったりします。
これもまた不思議なことに、
嫌だと思ったことがありませんでした。
知らないうちに、
私も寅さんを好きになったのかもしれません。

父娘の二人旅in柴又

台湾で高校卒業後、日本の大学を受験し、
晴れて東京で大学生活を始まったばかりの私に、
父が会いに来ました。
学校のない日に行った先は
寅さんで有名な柴又です。
今まで家族旅行でも行ったことがあるが、
父と娘二人で行くのは初めてでした。

駅前の寅さん像と写真を撮り、
帝釋天参道で名物の草だんごを食べて、
柴又帝釋天の前を通り、
寅さん記念館に行きました。
おそらく他の観光客と同じコースですが、
 「台湾の寅さんが
 本家の寅さんに会いに来たよ~」
と、
冗談を言いながら、父はとても満足のように見えました。

それが父の最後に柴又に訪れた日でした。
2年後、父はあの世に旅立ちました。

しばらくの間、
父について何も考えられなくなりました。
もちろん、寅さんのことも。

その2、3年後かな、
母が私に会いに日本に来ました。
母と一緒なら大丈夫とでも思ったのか、
ふっと、私は言いました。
「寅さんのとこに行こうか?」

1時間の電車に乗って、二人で柴又に行きました。
時はお正月、初詣の人波に飲み込まれながら、
父と来た時と同じコースをたどりました。
最後、寅さん記念館の中で流れる映像を観ていると、
思わず笑ってしまい、そして気づきました。

私も、寅さんが好きです。
父が愛したあの旅して恋する寅さんと
人情味溢れる日本を、
私も好きです。
同じものを好きになったのって、
結構うれしいですね。

今でもときどき、年に2、3度でしょうか、
柴又に足を運ぶのです。
駅前の寅さん像と写真を撮り、
帝釋天参道で草だんごを食べて、
寅さん記念館に行き、

寅さんを思いながら、
父を思いながら。

「お父さん、いまはどこを旅してますか?」

(おわり。最後まで読んでくださってありがとうございました。)

 

*****從這邊開始是中文(ここからは中国語です。)*****

<爸爸所愛的寅次郎>

我家爸爸非常喜歡日本的人情電影《男人真命苦》
尤其特別喜愛主角寅次郎。

為什麼喜歡寅次郎?

原本爸爸就非常喜歡日本,一生去過日本80次。
北從北海道,南到沖繩,
走透了日本各個角落,也結交了許多朋友。

爸爸和寅次郎的緣分,
是因為看到在日本各地旅行的爸爸,
朋友說了句「你真像台灣版的寅次郎啊!」

當然台灣沒有上映過《男人真命苦》,
爸爸在交流協會借錄影帶,才得以看到完整48集作品。

剛好是我要考大學的時候,
一邊唸書,一邊會聽到《男人真命苦》的主題曲,
(當然,還附上爸爸一起唱的歌聲。(笑))
當時雖然是考生,不但沒有覺得厭煩,
不可思議地,還感到有某種安心。
光是聽到開頭旋律,便湧出一種親切感。

總是被妹妹擔心,想風一樣說走就走,
卻又會忽然回到故鄉老家的團子店。
每一集都喜歡上不同的女主角,又不斷失戀,
爸爸似乎是愛上這樣自由又多情的寅次郎。

「看寅次郎可以知道很多人情世俗。」
總是這樣的起頭,
他就會開始滔滔不絕地說起寅次郎。
結果我還沒好好看過電影,
卻對其中的某些細節特別熟悉。
最令我意外的是,對於爸爸這樣積極的「劇透」,
我並不討厭。
或許在不知不覺中,
我也喜歡上爸爸口中的那個寅次郎了吧!

我和爸爸的小旅行in柴又

台灣高中畢業,開始在東京上大學後,爸爸來日本看我。
沒有課的日子,我們去了因《男人真命苦》而知名的柴又。
柴又,同時也是寅次郎的故鄉。
雖然家族旅遊時有去過,
但和爸爸兩個人,倒是頭一次。

在柴又站前和寅次郎的銅像照相,
在帝釋天參道品嘗名產的草團子,
經過柴又帝釋天的題經寺前,
走到寅次郎紀念館。
他開玩笑地說
「台灣寅次郎來看正宗的寅次郎囉~」
我們走的完全是和其他觀光客相同的行程,
但爸爸看起來非常非常滿足。

這是爸爸最後一次去到柴又,
2年後,爸走了。

有一段時間,
完全不能想關於爸爸的事,
當然也包含寅次郎。

大概2,3年後,媽媽來日本看我的時候。
可能是想說和媽媽一起的話沒問題,
「我們去柴又寅次郎那裡一趟吧!」我說。

搭了1個小時的電車,我們到了柴又。
時逢日本新年,一邊被參拜的人潮推擠,
一邊尋著當初和爸爸一起走過的路。

最後,我在寅次郎紀念館中看著電影的片段,
不經意地笑了。
同時也發覺到,我也喜歡寅次郎。
爸爸愛的那個愛旅行又多情的寅次郎,
還有富含人情味的日本,
我也非常喜歡。

喜歡上一樣的事物,
其實挺開心的嘛!

現在我有時會獨自去柴又走走。
在柴又站前和寅次郎的銅像照相,
在帝釋天參道品嘗名產的草團子,
再走到寅次郎紀念館。

想想寅次郎,
想想爸爸。

「老爸,你現在在哪個地方旅行呢?」
(以上全文,感謝您讀到最後。
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