ふたりが語る、「いままで」と「これから」。
第6回 思いを繋ぐ。
- 糸井
- 僕は、古賀さんがやってる仕事よりも、
自分が主役ではないけれども、
自分が苗を植えたような仕事、
増えてるんですね。

- 古賀
- そうですね。
- 糸井
- そうすると、その実った米やら果物やらを食べて
喜ぶ人がいるっていう、
その循環そのものを作るようになって、
飽きない面白さになったんですよ。
- 古賀
- それは最初から、
その喜びを得ようと思ってやったことではないですよね。
普通にこう…
- 糸井
- おおもとはね。
- 古賀
- おおもとは。
- 糸井
- 解決して欲しい問題があるからやるっていう形は
とってるけれども、問題がなくても、
やりたいんじゃないかな。
俺が時計職人の老人で、近所の中学生が
「時計壊れちゃったんだ」って言ってきた際、
「おじさんはね、昔時計職人だったんだよ、貸してごらん」
みたいな、そんなことのような気がする。
「どうだ」って、1回だけ言わせてって(笑)

- 古賀
- (笑)わかります。
- 糸井
- もうそれで十分だから。
「お礼に…」なんて言われたら、
「あ、もうそれはいらない」みたいな(笑)
その1回どうだって言わせて感は、
ちょっと年取っても残るね。
- 古賀
- そうですね。特にライターだと、編集者がいるんで、
まずはこいつをビックリさせたいというのが
あるんですよね。
で、全く期待してなかったはずの原稿に
120点で返せた時の、どうだという、
そういう喜びはありますね。
- 糸井
- 何でしょうね。
あとは単純に、お通夜の席でね、
みんなが楽しそうに集まってくれたら良いなって。
もう本人がいないから集まらなくても良いのに、
あの人が死んだ際に集まる人は楽しい人だって思われたら、
どのぐらい僕が楽しかったかわかるじゃないですか。
- 古賀
- そうですね、うん。
- 糸井
- そこは、ずっと思っていることですね。
家族だけで小さくやりますっていうお葬式あるじゃない。
それはそれで良いと思うんだけれども、
誰がいても良いよってお葬式を、
すごい望んでるんですよね。
それにかこつけて遊んで欲しいというか。
最後まで触媒でありたいというか(笑)
- 古賀
- そうか。確かに結婚式って、
僕と奥さんが主役じゃないですか。
僕達をちやほやしなさいっていうことを強要する場で…

- 糸井
- そうですね。
- 古賀
- お通夜とかお葬式って、もう僕はいないし、
僕は主役ではないけれども君達楽しんでくれだから、
結婚式とは全く違いますよね。
- 糸井
- そうですね。お葬式用の写真を僕は、
絶えず更新してますからね。
- 古賀
- (笑)そうなんですか。
- 糸井
- うん。今2枚候補があって、今日死ぬと、
どっちかになるんです。それはもう人にも言ってあるし。
ものすごい楽しみにしてるんです。その未来に向かって、
今日を生きてるんですよ、おそらく。それはなんか、
良いものですよ、なかなか(笑)
- 古賀
- なるほど(笑)
- 糸井
- まあ、古賀さんも僕の年までの間がものすごい長い
ですから、たくさん面白いことありますよ。

- 古賀
- 楽しみです。
- 糸井
- 楽しみだと思うんですよ。そう楽しみにされるよう
なおじさんでいたいですよね。