ぼーっとしたミーハー通信。

「ほぼ日」創刊からいちども休まずに毎週連載されていた
『ぼーっとした女子高生通信』のゆーないとさんが、
大学生になってしまった時には、
『ぼーっとした青春』と改題しましたが、
学生を卒業したので、またまた改題いたしました。

人間には、ミーハー欲というものがあるような気もします。
大統領やら総理大臣でも、タレントと会ってる写真は、
完全にひとりのミーハーになってるもんねー。

いいのわるいのじゃなく、どうやらいつも
「ミーハーめがね」をかけてるらしいゆーないとさんが、
その視線で見える世界を、毎週報告してくれます。

空耳。

中秋の名月の名月っぷりったら!!
ご覧になりました?
保育園の帰り道。
歩きながら、月が見えては足を止め、写真を撮り、
していたら、
「まるちゃんもとりたい!」
と写真をひたすら連写してくれるお嬢。
家に帰ってから、
「おつきさま、いち、に、だったねえ」
と言うので
「お月さまは、ひとつしかないんだけど、
みんなのところから見えるんだよ」
と伝えたら次の朝、
「おつきさま、いち、だけだったねえ」
と言っていた。
そうさ、ひとつだけの月が、
みんなを照らしてくれてるのさ!

お風呂に入っていると、
赤子が泣いている声が聞こえることがある。
これは産後の、アンテナビンビン物語シーズンの頃の
名残だと思うんだけどね。
シャワーをあびている音のむこうに、
かすかに、赤子の泣いている声がするのですよ。
ほんの少しの時間はなれたときにかぎって、
タイミング悪く起きて泣く。
わたしにはこのちょっとしたお湯に入る時間も
ないのか・・・!
とちょっぴり絶望的な気持ちにもなったこともあるけど、
そんな時代も、ほんとに一瞬で過ぎ去ったのでした。
だから、泣き声に敏感になっちゃって、
なりすぎて、聞こえない泣き声、無き泣き声が
聞こえるようになっちゃったのでした。

今でもまだたまにあるよ。
お風呂にゆっくりつかってるいるときに、
遠くで赤子が、泣く声がする。
ちょっぴりこわくないですか・・・!まるで怪談。
あわてて、お風呂場のドアを開けて、耳をすますんだけど
しーん。なの。
まれに最近でも、こわい夢を見たのかで、
泣く時もあるけど、もう、ほとんどない。
おもには、ただの空耳なわけですよ。

ひとりで静かな夜を過ごしているとき
(じっさいには、そんな時間を優雅に過ごす間もなく、
寝落ちすることが多々)とか、
ふとしたときに、
そういう泣き声だったり、
ねこの「クカックカッ」という吐く音が聞こえたり、
トイレの砂をかく音が聞こえたりもする。
鳴き声も聞こえる。
あ、これも文字にすると、こわいじゃん。
稲川淳二さん風に読んだら、もっとこわいかも。
こわいなーこわいなー。
廊下のむこうからね、「クカックカッ」ってね、
音が聞こえるんですよ。
こわいなーこわいなーって見に行くと、
誰もいないんですよ。
そういう感じ。
ま、それらも、空耳というか、
記憶の中の音が再生されるっていうか。
それが聞こえるんだよね。
ねこがのどを鳴らしてゴロゴロいう音とか、鼻息とか、
わたしの腹にのぼってくる必死な表情と、
ゴロゴロ音といっしょに、
芋づる式に、どんどんもんのすごく鮮明に
思い出されて、泣きそうになることがある。
衣替えをすれば、牛たちの毛が出てくるだろうなと
ちょっぴりたのしみなわたしです。

匂いとか、音というのは、
記憶を立体的にしてくれるから、すごいすごいことだわ。
なんてことに思いふける、秋のよ、る。
ぐーぐー。
思いふける間もなく、さっさと寝てしまう毎日・・・。
がくっ。

ひさびさに植物園に行ったら、
いいもんだった。目にいい!

すぐに寝た。

よだれをたらしながら上目遣いで
すっごくおあずけされている犬を
思い浮かべていたけど、ちがったみたい。
「いとおあずけ」に空目。

さ、今週もがんばっていきまひょーーう。

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