ぼーっとしたミーハー通信。

「ほぼ日」創刊からいちども休まずに毎週連載されていた
『ぼーっとした女子高生通信』のゆーないとさんが、
大学生になってしまった時には、
『ぼーっとした青春』と改題しましたが、
学生を卒業したので、またまた改題いたしました。

人間には、ミーハー欲というものがあるような気もします。
大統領やら総理大臣でも、タレントと会ってる写真は、
完全にひとりのミーハーになってるもんねー。

いいのわるいのじゃなく、どうやらいつも
「ミーハーめがね」をかけてるらしいゆーないとさんが、
その視線で見える世界を、毎週報告してくれます。

フレッシュまたたび事件簿。

梅雨 to you!
超梅雨やん。梅雨、長くない?
朝の登園、夕方の降園の時間だけで、
「雨よぉぉぉ、やめぃっ!」とおまじない、
にもなってないけど、ただ強めに声を荒げて、
空に向かって言いたいっす。
降っててもいいから、弱まってほしいよ〜。
強まるのだけはやめてぇ〜〜〜。

先日、角館の塩野米松さんからお中元のように、
朝採れとうもろこし、ならぬ、
朝採れまたたびがたくさん届いた!しかも、冷蔵便で!
塩野さんが朝のお散歩で行く山に、
たくさんあるという、またたび。
いままでも、何度か送っていただいていた
(その様子はこちらなど)んだけど、
いままでの中で、一番フレッシュな感じ。
季節がよかったのかなぁ?
毎回、濡らしたティッシュで、茎のところを
巻いてあったり、すごくていねいにしてくださって。
やさしさがまたたびから、にじみ出てるのよ。
じゅわっと。
そのやさしさのおかげで、コンクリートジャングルに住む
わたしたちのシティキャットたちも、
山の空気、山のまたたびをハードボイルドに
嗜めるわけで。ありがたいことです。
塩野さん、ありがとうございます。

でね、いつものごとく、
透明の袋に分けて、数人のねこラー
(って、誰も言ってないけど)に、おすそ分けするのよ。
ねこ飼ってなくても、
「近所のうろうろしているコに
やってみたら、すごいよろこでんた〜」
って人とかもいるし。
常連さんには不在だったけど、
デスクに無言で置いておいた。
ねこを飼ってないCさんは、
「反抗期の息子に使ってみようかな?」
なんて言ってた。
たしかに、またたびはお茶にして飲んだり、
お酒にしたりもするらしいけど、
思春期の彼に効くかどうか・・・!?

んで、帰って、怪我中の牛にお渡ししたら、
いつもよりフレッシュだからなのか、体すーりすりして。
エリザベスカラーをする日々で鬱々としていたから、
よかったわぁ。

なんか、すずらんみたいな、お花もついてる?
白いお花を、お嬢がつぶしたり、葉っぱをちぎったり、
牛がすりすりしたり、
お嬢も、何か感じるんだね、すごくクンクン嗅いだりして。
前のときは、ぱくぱく口に入れていたけど、
もうしなくなっちゃって、ちょっと残念。
おもしろかったのに。またたびをハムハムする幼児。
まあ、色々たのしませていただきまして。
室内に置いてあると、牛が常にほろ酔いみたいな感じで、
クンクンして葉を探し回ったり、
くねくねしてアピールがすごくなっちゃうから、
「また明日やろうね」と、
1回、ベランダに出しておくことに。
夕ごはんを作り、食べ、食べさせ、
お風呂に入り、洗い、洗われ、寝かしつけ、
ひと通り終わり、わたしも色々して、
ベランダにあるゴミ箱に用があって、
ベランダに目をやると・・・

っ!!!!!

なんか!

見ちゃいけないもの!

え?ちょっと待って、なに?
え?え??

なに?どゆこと?
やばい?やばいかも。わっ、どうしよ。あれなに?

ねこ含め、わたし以外の誰も起きてないから、
ひとりで、「え?え??」ってブツブツパニック。

なんか、床に置いてあるまたたびに、
きれいなみどりの羽ばたくサムシングが
びっっっっしり!
それはそれは、びっくりですよ。
文字だけでも、苦手な方はごめんなさい。

とにかく、羽をゆらゆらしながら、びっしり。
というか、ちょっと周りを見たら、窓にも
何匹もついてるし、そのへんをふわふわ浮遊しているし、
これ、お隣さんのところにも、
いっちゃってるんじゃないか?
やっばい。どうしよう・・・。

いったん、見なかったことにして、
iPhoneで検索。
なんか、そのみどりの色の感じとか、
やわらかい感じが、孵化したてっぽいなーと思って、
色々調べてみたんだけど、
どうやら、クサカゲロウというやつっぽい。
葉に卵がくっついてて、
ベランダで孵化したのではないかと。
これは大変。
みんなにも伝えねば。
またたびを持って帰ってもらった人たちに連絡。

「ちょっとよくわかんないんですけど、
卵が孵化したのかもしれない。
みなさんのところにもついているかもしれないので、
お気をつけください!」

すると、

「近所の人にあげたので、気をつけてもらいます」


▲近所の人のねこがもだえている様子を
動画で送ってくれた。かわええ。

「うちのねこは気に入って、枕にして寝ていました」

「ちょっと思い当たるふしがあります。
猫は葉と虫、ダブルで大興奮でした〜」


▲コテンッてなっちゃうんだよねぇ。たまらん。

おひとり、思い当たるふしがあったけど、
なんかみんなだいじょうぶそうでよかった。
と、深夜に肩をなでおろしたり、
またベランダに目をやって現実に引き戻されたり、
あわあわしていたら、
思い当たるふしがあったSさんが

「もしかしたら、なんだけど、
うちに来たマタタビには、
もともとたまごやさなぎはいなかったかもしれない。

うちの場合は、リビングで猫たちを遊ばせてたら、
庭にクサカゲロウさんの大群が来襲しました。
網戸をしてたから家には入ってこなかったけど、
家の人が「うちの庭で何かが大量発生してる!!」
と騒いでいたので、
メールを見て、あ、と思いました。
猫と同じく
「なんかにおいする!」
と思ってきた奴らだったのではないかしら。うちのはね」

あぁあ、それかもしれない。
うちのも、寄ってきたのかもしれないなぁー。
すごい量だから、卵から一斉に孵化したって
思い込んだけど、その可能性もあるわ。
いつもは見ない君たち、どこから集ってきたのよ!
いつもどこにいるの?
なんか、すんごい葉っぱシャリシャリ食べてるし!

うちのは、近所迷惑になってもまずいので、
袋に葉っぱごとみなさんを移動し、
(その工程もなかなかのもので、
彼らがわたしにぶつかってきたり、
さわさわくすぐったい心地で、
けっこう冷や冷やしたミッドナイト)
そのまま、袋の中で過ごしていただいたよ。
あぁぁぁすごかった。
ちょっと、袋からこぼれたコも数匹いたんだけど、
もうそれは仕方ない。自由にしておくれ。

みんなのエピソードを読んだMさんは、
花瓶にいけたものを、夜そのままベランダに出して
実証実験をしたそう。
すると・・・
「朝起きたら、ものすごい勢いで食べてるし、
網戸にすごい数とまってる・・・!」
と。
となると、やっぱりホイホイなんだ!
すっごいな、またたび!
Mさんは、ベランダにもびっしりだったそうで。
なんか、こうしている今も、
背筋がこそばゆくなってきた。
そのびっしりは、
次の日の朝には解散してくれてたらしい。ほっ。
残ったまたたびは、
近所の森みたいなところに置いて、
引き続き実験したらしい。探究心!
けど、もう何もついてなかったんだって。
初日に食べ尽くしたのかなぁ。
あぁ、すごいことでした。たのしかったなぁ〜。
と思っていたら、さらにあくる日。
実験好きMさんより便りあり。

「最終的に・・・
今日家に帰ってきたら、植え込みんとこで
猫が悶絶していました。
うっかりしてた。カゲロウだけじゃないんだった」

落語か!
なんだこの話。しっかり落ちた!
すっごいわ。長くなりましたが、
都会でのスリリングなまたたび事件を
お届けいたしました。
自然を感じられた数日間でしたわん。

このメールのやりとりに、
まったく参加してこなかったFさんは、
虫が大の苦手で、メールをちらっと見ただけで、
家で打ち震え、
案の定?ちょっと虫とひともんちゃくあったそう。
色んな珍事件があの日の夜に、
各所で起こっておりましたとさ。おしまい。
長くお付き合いありがとうございました〜。

さ、今週もがんばりまっしょー!

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