はじめての離乳食。

2019-04-08

わたしはとても、わくわくしていた。
いわゆる旅行の前日の、
運動会の前日のそれとはちがった、わくわくした気持ち。
夜は少し眠れなかった。
明日は、赤子にはじめて
離乳食を食べさせてみる日に決めた。
どの本にも「５、６ヶ月から始めましょう」と
書いてあるので、
その通りにしてみようと思った。
（赤子の件に関しては、自分のことじゃないので、
とてもまじめなタイプのわたしです）
今まで、生まれてから６ヶ月の間、
母乳と粉ミルク以外を、口にしたことがない赤子。
でも、ある時から、
お風呂の時に遊ぶ首の浮き輪をつけると、
あご置きスペースからあごが落ちて
（または自分の意思で落として？）、
ペロペロとお湯をなめるようになって。
実はけっこうペロペロ飲んでる気もする。犬かっ！
なので、母乳とミルクとお湯以外を
口にしたことがない彼女。
この間、行ったレストランで、
木のお皿とスプーンとフォークが用意されていたのですよ。
「まだ使わないもんねー」
なんて言ったけども、ふと、思った。
離乳食の初期はスプーンを口に入れることができず、
苦戦するパターンも多いと、本で読んでいたので、
そうならないように、
スプーンに慣れるのはどうかしら？
そこに用意されていた木のスプーンを渡したら、
ふつうのおもちゃと同じように口に入れて、
夢中になっていた。いいじゃん！
ついでに、水飲んじゃえば？ということで、
スプーンで少しだけお水をすくって口に持っていくと、
すんなりとペチャペチャ飲む。
なななんだこのスムーズさは！
最近はおとながごはんを食べているのを見て、
入れ歯を入れてないおじいさんのように、
くしゃおじさんさながらに、
くちゃくちゃとしていたし、やっぱり始め時なのでは！
すぐに木のスプーンをゲットして、
いよいよXデーが、やってくる。

なんでこんなにワクワクするんだろう。
と考えていたら、
ひつとの答えが出た。
生まれるタイミングからはじまり、
赤子の「できるようになる」タイミングは、
わたしら親が決められることはなくて、
こちらは受け身なのだ。
いつできるようになるんだろう？そろそろかな？
できるようになった瞬間を、ちゃんと見届けられるかな？
そう思いながら、過ごす。
もちろん、うながすことはできる。
寝返りができるように練習をしてみたり、
言葉を覚えるように話しかけたり、
絵本を読み聞かせたり。
準備は親たちができるけど、いざ、やるのは赤子本人。
寝返りができるようになる日を、親は決められない。
そりゃそうだ。
だけどもだけど！
離乳食をはじめる日は、親が決められる！
というか、離乳食に関しては、
すべてこちに主導権があるのだ。ガハハハ。
いままで、君のタイミングにすべて合わせてきたけど、
こればっかりはこちらで舵をとらせてもらうぜ。
とっても大きな一歩目を、
決めさせてもらいましたわ。
でも、さみしい気持ちもあるの。
いままで、ほぼわたしの母乳のみで
育ってきたのが、そうじゃなくなるわけですよ。
成長はうれしいけど、
巣立ち感を感じちゃって、やっぱりちょっぴりさみしいな。
親ってそういうもんなのかな。
どうやら、そうみたいだ。複雑だYO親心。

そして、その親が決めたXデー。
朝からおかゆを作り、つぶして、ワクワクしながら準備。
本人は何にも知らずに、いつも通り。
体調も良好。機嫌も良好。
まずは、木のおさじに水をくんで、
口に持っていくと、ペロペロとなめた。
よしよし。
さぁ、いくわよ！
ついに、水分以外のものをその口に、
その喉に、胃に、腸に！
赤子の臓器たちよ、覚悟しなさい、ソーレ！

ペロペロペロ。

いーねー！
もう少し？

ペロペロペロペロ。

自分から前のめりになって、
おかゆを迎えに行くくらいの勢い。
やっぱり、食べてみたかったんだ。
とにもかくにも、Xデーは無事に、遂行されたのであった。
さぁ、ここから離乳食との戦いの、はじまりはじまり〜。
色々決めさせてもらうわよ。
いろんなおいしいものを、食べようね。

▲王冠かぶって、発表を待っていたよ。令和！