第11回 まずは「マイルス」から聴いてみよう。

高平 マイルス・デイヴィスの場合はさ、
どれかひとつのアルバムを選ぶのって
やっぱり、すごく難しいんだよね。
── 今回は『カインド・オブ・ブルー』ですか。
 
MILES DAVIS『Kind of Blue』
MILES DAVIS『Kind of Blue』
COLUMBIA
高平 うん、やっぱり「はじめてのマイルス」なら
1曲目の「SO WHAT」だとか
4曲目の「ALL BLUES」あたりから
入ったらいいんじゃない?

もちろん、マイルスのラッパがイイんだけれど、
ピアノを弾いてるのも
ビル・エバンスっていう天才でね。
── あ、インターネットで調べると、
このアルバムは
ジャズ以外のミュージシャンにも
かなり大きな影響を与えたと言われてるようですね。

ファンクのジェームス・ブラウンとか、
ロックのジミヘンとか‥‥。
高平 うん。これじゃなかったら、
1964年の『FOUR & MORE』ってやつでもいいよ。

ジャズへの、いちばんはじめの入り口としても、
このあたりのマイルスは、聴いておくといいね。
 
── で、次がキャノンボール・アダレイさんの‥‥。
高平 うん、「サムシング・エルス」。
 
MILES DAVIS『Kind of Blue』
CANNONBALL ADDERLEY『Somethin' Else』
Blue Note
── 名門の「ブルーノート」レーベルから出てます。
高平 そう、ジャズのなかでも
「スタンダード中のスタンダード」である
「枯葉」って曲が聴けるアルバム。

キャノンボール・アダレイっていう
サックス奏者がリーダーのアルバムなんだけど、
全体をまとめているのが、じつはマイルスでさ。

マイルスのトランペットが有名だから、
選んでみたんだ。
── 両方とも輸入盤にすると、2枚で2,426円!

HMVさんの
「輸入盤CDどれでも2点買うと25%オフ」
キャンペーンのおかげで
かなり、お安くあがっております。
高平 輸入盤を選んだら、けっこうな数になりそうだね。

でも、ライナーノーツを読みたかったら
国内盤にすると、いいかも。
── なるほど、なるほど。
高平 続いて、パッパッパッといこうか。

えーとね、
ソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』、ある?
 
SONNY ROLLINS『SAXOPHONE COLOSSUS』
SONNY ROLLINS『SAXOPHONE COLOSSUS』
ユニバーサル
権利者の許可を得ずに複製することを禁じます。
高平 たしか、去年だったかな?
ソニー・ロリンズの日本公演のときに
ジャズっぽくないお客さんも来てたんだよ。

で、「なんで?」って思ってたんだけど、
これに入っている「セント・トーマス」って曲、
みんな、知ってるからじゃないかなって。
── 有名な曲なんですね。
高平 聴けばわかるって人、多いと思うよ。

当時、日本でもかなり売れたアルバムだから、
そういう意味でも、選んでみた。
── なるほど。
高平 どんどん、いこう。

ええと、ミンガスは? チャールス・ミンガス。
 
CHARLES MINGUS『THE CLOWN』
CHARLES MINGUS『THE CLOWN』
ワーナーミュージックジャパン
高平 これはね、ミンガスのベースがさ
なんというか‥‥すごいんだよ。
 
── まるでウネウネと這いまわる
大蛇のような力強い演奏スタイル‥‥みたいに、
ものの本には、表現されているようですが。
高平 とくに1曲目の
「ハイチアン・ファイト・ソング」。

これ、「ハイチ人の戦いの歌」っていうんだけど‥‥
メロディ的にもかっこいいから、
初心者でも、入りやすいかもしれないね。

で、つぎは、セロニアス・モンクの‥‥これこれ。
 
THELONIOUS MONK『SOLO MONK』
THELONIOUS MONK『SOLO MONK』
Columbia/sony
高平 モンクっていうのは、
じつに有名なピアニストなんだけど、
不協和音の天才みたいな人なんだよ、この人。

聴いてみたらわかると思うけど、
すごくヘンな音を出すんだ。
 
<続きます>
 
今回、高平哲郎さんにお聞きした
おすすめCD取材のようすは、
HMVさんの特設ページでも
HMVバージョンとして掲載されています。
「ほぼ日」バージョンとは
またちがった編集をしておりますので、
どうぞ読みくらべてみてくださいね。
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2007-11-20-TUE