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#1 教養講座「ジャズの変遷」前編

── 教養講座、本日は
中洲産業大学 芸術学部 哲学科名誉教授の
モリタ一義先生にお出でいただき、
「ジャズの変遷」についてお話をいただきます。
それではモリタ先生、よろしくお願いいたします。
モリタ

みなさん、こんばんは!
中洲産業大学のモリタでございます。

25年ぶりに、教壇に戻ってまいりました。
ども、ども、ありがとうございます!

えー、今日はジャズの歴史ということについて
お話をするわけでございますですね‥‥しかし!

さっきの演奏はなんですかね‥‥これは!?

オープニング曲「GUGAN」

正気の沙汰とは思えない演奏です。

これが今、ジャズのいちばん新しいかたち、
つまり「フリージャズ」というやつでございます。
まことに、正気の沙汰ではありませんねぇ‥‥。

さて、さて、それではともかく
「ジャズはどこから来たのか」ということについて
お話をしていきましょうか。

ジャズとは‥‥ええ、
遡りますれば「アフリカ」に行き着く。

アフリカの人たちが通信などに使っておりましたドラム、
これを「トーキングドラム」と申しますけれど、
たとえば「象が捕れたぞー」と送るとすると
「そうかー、そうかー、今いくぞー」なんて
返事をしたり、そういうことをしておったわけです。

その後、アフリカの人たちは「奴隷」として
1600年代はじめに、アメリカ北部のほうに
連れてこられまして、そこから、
彼らの悲しい歴史が、はじまるわけでございますね。

ここで、ジャズが成立したのが、西暦1900年ごろ。

原住民、アフリカから連れてこられた人びと、
そしてクレオールなどと呼ばれた人たちの文化が、
複雑に交錯し、混じりあっていた
ニューオリンズで、ジャズは生まれたのです。


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で、ええ〜、ちょっと遡りまして、
アメリカにおける「南北戦争」が終わりましたのが
1860‥‥えー‥‥1865、
えー、せんはっぴゃく、まぁ、そんなもんでございます。

有名なのが、リンカーンのゲティスバーグ演説ですね。
とーっても長ーい、そんな演説だったわけです。

「バイ・ザ・ピーポー、
 オブ・ザ・ピーポー、
 フォー・ザ・ピーポー」
 
順番などははっきり知りませんけども、
そんなようなことを言ったわけです。

ここで、リンカーンは入れ歯です。

当時の入れ歯といいますとですね、
これが「木製」だったわけでございまして、
今からくらべたら非常に粗悪品で、
たぶん、カパカパカパカパいっていて、
ようするに、
とても演説できるような
状態じゃなかった
んじゃないか‥‥と。

フォーザピポバーバピポオーブザピポ‥‥。

つまり、人民の人民による人民のための政治、
なんて意味のことなんでしょうが、
ま、ひとことで言ったら
民主主義ってなもんでございましょう。

ここで、リンカーンは、韻を踏んだわけですね。

「バイ・ザ・ピーポー、
 オブ・ザ・ピーポー、
 フォー・ザ・ピーポー」
 
それを聞いた人々は、たいそう驚きました。

「バイ・ザ・ピーポー、
 オブ・ザ・ピーポー、
 フォー・ザ・ピーポー。いいじゃん」と。
 
「韻を踏んでさえいれば、
 べつに大したことでないこと言ってても
 かっこいいじゃん」と。

これが脈々と受け継がれまして、
現在のラップにまで至るわけですね。

そうこうするうちに、南北戦争も終わりまして、
軍楽隊が使っておりました楽器が
大量に、しかも安く、市場へ出回ります。

他方で、黒人たちも解放されまして、
彼らが、それらの楽器を手にすることができた。
そうして発生した音楽が、
やがてブルースとなっていくんですね、ええ。

で、このブルースのなかには
アフリカから脈々と受け継がれた
黒人たちの音楽のなごりが、残されていました。

ここで重要なのは、旋律なんでございます。
西洋音楽の場合は、
みなさんごぞんじ「ドレミファソラシド」です。

ところが、アフリカ音楽の影響を受けますと、
「ミ」と「シ」、あるいは「ソ」が
半音下がるという、こういう旋律になるわけです。

みっつの音が、半音下がる。
長調と短調の特徴である、第3音が下がっている。
でも、フシギではない。

ここからジャズらしいメロディが出てきたんです。

たとえば、「ワークソング」という曲があります。
たいへん、有名ですねぇ。ええ。

この曲、いわゆる「ブルーノート」が使われています。
西洋の「ドレミファソラシド」とくらべると、
3音と7音が半音、下がっているんです。

で、この曲の
「たらららっ たーらーらたった
 たらららっ たーらーららー」という
メロディの半音の部分を元に戻してみると‥‥。

なんと!
沖縄民謡
になってしまうんですねぇ。

フシギなことですねぇ〜、これは。
まことに、フシギなもんでございます。


ブルースが、沖縄民謡になる!?
参考までに「ワークソング」と「沖縄民謡」って
たとえば、こんな曲です。
タモリ教授のおっしゃるとおり‥‥かも!
試聴には「iTunes」というソフトが必要です。

・『ワークソング』矢野沙織
・『毛遊び』喜納昌吉&チャンプルーズ 

<つづきます>

今日のジャズ語

中洲産業大学
タモリさんのネタのなかに登場する、
実際には存在しない架空の大学。
1970年代当時、
新宿のスナック「ジャックの豆の木」では、
「変にクセのある教授」に扮したタモリさんが
「NHKの教養講座風の語り口で講義をする」という
密室芸的なネタを披露していた。
その「タモリ教授」の勤務先とされた大学が、
この「中洲産業大学」である。
タモリさんが
「京都産業大学」の学園祭へ呼ばれたときに誕生。
タモリさんの出身地が福岡だということから
「九州産業大学」がルーツであるという説もあるが、
高平哲郎氏によると、それは正しくないという。
はじめてのJAZZ2
2008-03-03-MON