HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

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平和なサッカー
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最近のこと69
文:福田利之

今年はどうだったか‥‥ぼんやり考える12月、
世界は厳しいニュースが多い中、
自分はいろいろあったような、なかったような、
子供の成長を喜びながら翻弄されながら、
最後はサッカーが盛り上がったなーというのが
個人的には印象として残っているぐらいなので、
ここ数年の流行病の心配ごとがぼやけるぐらいには、
それなりに普通に戻った1年だったのかなと
振り返ってみたりもしていますが
みなさんはいかがでしたでしょうか。

サッカーのワールドカップは優勝しない国であっても
これまでの実績やそれぞれの強さなどによって、
参加ができて1回でも勝てばいい国もあれば
ベスト8まで行けば大成功の国もあるし、
準優勝しても予選敗退しても
優勝しなかったら同じという国もあったり、
物事どう考えるか次第で
幸福度が決まるのがおもしろいですね。
目標設定を選手も国民も理解していて、
それぞれの優勝があるのがすごくいいと思います。

そりゃもちろん一試合ごとに物語を積み重ねていって
最後に決勝戦を戦える選手や
応援できる国民の高揚感はすごいと思います。
今回のアルゼンチンはメッシが最後ということで
代表定着から15年ぐらいの物語がプラスされた
大河ドラマの最終回を見ているよな展開でした。
生きているうちに日本もそんな機会があるといいなー。
サッカーが好きな人だけの世界のお話ですけどね。

今回、日本チームが活躍したこともあり、
サポーターの観戦後の掃除の話題なんかも
よく耳に入ってきました。
自分の国が褒められるのは嬉しいし、
他国も真似て清掃しているという話を聞くと
とてもいい国際交流の場だと思う一方、国によっては
清掃員さんの仕事を奪うという指摘もあったり、
良い悪いは価値観なのでなんとも言えませんが、
それぞれの国のことや習慣、思考などもよくわかり、
理解が進む良い機会でもありました。

人間は本能的に戦争をしてしまうものだという
そんな見地から考えて、
人間同士が殺し合いをしないために
国対抗のゲームがある、なんていう人もいます。
自分としては母国の結果に一喜一憂せず、
普段の生活を乱されないように観戦していたつもりですが、
やっぱりどうしても気になってしょうがなくなるので、
そんな自分の中の日本人を認識してしまうと、
そこに無意識に差別意識のようなものの火種が
宿ってはいないかあらためて考える機会でもありました。
あらがえないものなのかもしれないけれど、
とにかく考えてみることだけでも大事な気がします。
前にも書いたけどこんな時代なのであらためて。
国との戦いはスポーツだけにしてもらいたいと
今まで以上に考えてしまうワールドカップでもありました。

自分の置かれている環境は
思想も行動もできるし夢も希望もある。
ほんとに恵まれている、ありがたい2022年だったかな。

みなさんもよいお年をお迎えくださーい。
2023年もよろしくお願いいたします。

2022-12-25-SUN

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