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先日、大分から遊びに来ていた友人を、
北関東までいろいろ案内する機会がありました。
訪れた有名な日帰り温泉には
温度によって湯舟がいくつか分かれていて
一番奥の湯の温度は48度と
江戸っ子もたじろぐような温度の硫黄泉で
その湯舟の周りには数人の地元の主が、
にわか観光客を寄せつけないオーラで
おそらく誰に頼まれたわけでもなく、
温度調整のための湯もみを器用にこなし、
睨みをきかせて座っていました。
その湯の中へ入るには、温度もさることながら、
温泉素人の観光客にはとても勇気がいります。
おもしろみを期待して、まずはなにも知らない友人を促し、
先に行かせてみたところ、主が講釈を垂れる隙間を与えず、
するっとインし、想像以上の熱さでささっとアウト。
その様子を見て、
過去にその温泉で、主たちにつかまった経験がある自分も、
ひょっとしたら今回は、長い説明を聞かずに入れると踏み
続いてするっと入浴を試みようとするも、
その熱さの記憶が邪魔をして、やや躊躇をしたその瞬間、
主が手でさえぎる、まったの合図。
結局友人もつかまり、効能、湯もみの必要性、
湯の中で動くと低温やけどをする、
3分間入らなければ
体内に温泉成分が入ってこないから意味がない、
俺は今日すでに2時間以上ここにいるなど、
10分ほどの講釈の後にようやく入浴を許可され、
きっちり砂時計で三分間計られ、じっと我慢。
肌がピリピリし、刺す感じから
むしろ湯が冷たいのではと錯覚するほど、
肌感覚がバカになり、
フラフラで外に出てからも、体がぼーわっと
見えないベールに包まれたような
ほかほかの湯気でおおわれ、肌は真っ赤っか。
主もそれをみて満足そうに、アフター講釈が続き、
兄ちゃんたちどこから来たのとの質問に
友人が大分と答えると、主のおしゃべりがピタッと停止。
あきらかに大分、温泉県からの来客に対する、
一目を置かざるを得ないそのバックボーンに
一瞬たじろぎをみせたものの、
名湯の門番としてのプライドが盛り返したのか、
さらにあれこれ話しは続くも、やや切れ味は失なわれ、
オレの話はだいたいが多分であり、
医学的に高温のお湯に入ることは
多分推奨されていないと、突然弱々しい説明になったり
昔、某旅行会社のツアーで別府に行ったことがあるが
そのときのガイドさんは多分〇〇で、
多分△△とあれがあれしてこれしてると、
焦点がずれたアダルトな話がしばらく続き、
明らかに動揺している様をみて、少し申し訳ない気持ちと、
妙な勝者の満足感を得て、
主に楽しい旅の時間のお礼をし、温泉を後にしました。
今回の名湯の主をみて、
日頃から謙虚にフラットな気持ちで、
物事には対峙すべきとは思うわけですが、
そんなエピソードを旅の土産に、
満足そうにして大分に帰った友人をみていると、
医学的には推奨されていないけれど、
熱い温泉に入り、長生きして、
お湯の門番を続けてほしいものです。
冬になったらまた、主に会いにあの温泉に行こう。
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