ほぼ日カルチャん

MANGA都市TOKYO(ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020)

ミュージアム

0109-2

意外に、家族におすすめ。

永田

0109-2

ごりごりサブカルか、
ごりごりアカデミックか、
どっちにしてもちょっと観るのに
「よいしょ!」という力が要るような
展示かな、と思ってたんです。

松本大洋さんの『竹光侍』の原画が
展示されているというので、
雨の平日に観に行ったのですが、
まったく「ごりごり」ではなくて、
構造としてとてもきれいな展示でした。

けっきょく、2時間近く、
おもしろく過ごしました。

「MANGA都市TOKYO」展は、簡単にいうと、
新旧の漫画、アニメ、ゲーム、特撮を通して
東京という都市を見渡す展示です。

東京の街が立体としてつくられ、
そこに『ゴジラ』や『AKIRA』が重ねられる
メインの展示はとても見応えがあります。
また、手塚治虫さんから羽海野チカさんまで、
たくさんの「東京の漫画の原画」が
たっぷり観られますので、
それだけでも十分おもしろいです。

ぼくは、じっくり、ゆっくり、会場をめぐりながら、
日本人は昔からいろんな方法で東京タワーを壊し、
いつか東京という街が焼けることを
なんとなく意識し、
東京っぽい東京を他人事のように描くときは
109や歌舞伎町を持ち出すけれど、
ほんとうの自分の生活がある東京を見せたいときには
街そのものよりも電車やコンビニといった
ディテールを描くのだな、
というようなことを思いました。

この展示をいちばん勧めたいのは、
アニメや漫画やゲームを「文化」として意識し始めた
中学生くらいの若者です。
たぶん、いまの大人にとって当たり前でも、
『AKIRA』や『あしたのジョー』や
『ヱヴァンゲリヲン』を
ぜんぶ把握するのって、たいへんだと思うんです。
『ゴジラ』から『君の名は。』までが
「東京」でくくられているこういう展示を見れば、
自分の好きなものや、
なんとなく聞いたことのある作品が
わかりやすくつながって、
これからいろんな興味が湧いてくるんじゃないかな。

そんなわけで、意外に、この展示は、
家族で観るのがいいと思います。
古い漫画やゲームに妙に詳しい両親と、
最近、最新アニメやゲームに
ハマりはじめたお子さんとかで。

基本情報

MANGA都市TOKYO(ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020)

会期:2020年8月12日(水)〜11月3日(火・祝)
開館時間:10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで

会場:国立新美術館 企画展示室1E

休館:毎週火曜日
ただし、9月22日、11月3日は開館
(9月23日(水)は休館)

展覧会サイトはこちら。