HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

HARIBOにTOBIとインタビュー。

今度の「生活のたのしみ展」に、
HARIBOさんが出てくださるのです。
そうです、あの、
ちょっとかためのグミキャンディの。
ドイツうまれで、ヨーロッパでは、
子どもがはじめて口にするお菓子と
言われるほど、おなじみだとか。
そこで、その歴史や商品について、
HARIBOを輸入する三菱食品の
太田さんと橋本さんに、聞きました。
かねてより
「グミっぽいなあ」と感じていた
レ・ロマネスクTOBIさんと一緒に。
担当は「ほぼ日」奥野です。

第1回 認知度「98%」のグミ。

──
先日、フランスでのライブのときに、
TOBIさんが、
パリのスーパーのグミコーナーを、
写真に撮ってきてくださったんです。
橋本
あ、本当ですか。
──
そしたら、ね、TOBIさん。
TOBI
はい。全面、HARIBOだったんです。

その店のオリジナルっぽい、
そういうグミもちょっとあったけど、
棚一面、ほとんどHARIBO。
──
これはつまり、パリのグミシーンを、
HARIBOさんで、
ほぼ独占しているってことですか。
太田
はい、パリだけじゃなく、
ヨーロッパ全域で、とても有名です。

ドイツの調査では、
認知度「98%」くらいあったと
聞いています。
──
日本で言えば、
明石家さんまさん級の認知度。
TOBI
とにかく、HARIBOしかなかった。

パッケージもいろいろで、
どれくらいの種類があるんですか。
橋本
世界中で、約1000種類です。
──
1000! そのうち日本には‥‥。
太田
40種類くらいでしょうか。
TOBI
じゃ、この地球上には、
ぼくらの知らない未知のHARIBOが、
まだまだあるってことですね。

一生ふれあうことのないHARIBOも、
ありますね、ゴールドベアさん?
ゴールドベア
‥‥‥‥‥。
太田
すみません、
うちのゴールドベアは無口でして。
TOBI
大丈夫、慣れてるから。
──
ちなみに、HARIBOさんが、
ドイツの会社であるということを、
自分は、知らなかったです。
太田
そうなんですよ、じつは。
──
TOBIさんは、ご存知でしたよね。
パリ住まいが長いから、きっと。
TOBI
ええ、フランスに11年いたけど、
ぼくは、向こうで、
HARIBOのことを知ったんです。

楽屋とかによく置いてあるんです。
ライブハウスの。
橋本
へえ!
太田
そうなんですか!

△2019年2月、フランスでのライブの楽屋にて撮影。
 ひとり1カップ、HARIBOが配られたとか。

──
日本のお茶菓子、みたいな感じで?
TOBI
うん、ご自由にどうぞって。

最初のうちは、
みんなそんなにこのグミ好きなの?
とか思ってたんだけど、
みんな、おいしそうに食べていて。
──
はじめて召し上がったのは‥‥。
TOBI
あっちには、じつにまがまがしい、
暗黒のHARIBOがあるんですよ‥‥。
──
暗黒‥‥って、黒いの?
TOBI
そう。
──
何味なんですか?
太田
リコリスという甘草の味なんですが。
TOBI
それ。

この場でこんなこと言っていいのか
ちょっとわからないけど、
日本人にしてみたら
ボディーソープの味みたいなんです。
橋本
そんな味じゃないです(笑)。
TOBI
はじめてのHARIBOが、アレでした。

みんな、すごくおいしそうにしてて、
うれしそうにシェアしてて、
「きみにも、ほら」ってくれたので、
「おいしいね!」
という顔を精一杯つくったんですが。
──
お口に合わなかったってことですね。
TOBIさんのお口には。
太田
甘草という草のフレーバーを
ギューッっと閉じ込めていますから、
日本の人には、
ちょっと「強い味」がするんです。
──
じゃ、そこからのスタートですか。
TOBI
HARIBO=暗黒、でした。

だから、出会いの印象は、
そんなにはよくなかったんですけど、
でも、スーパーに行ったら、
ああやって
棚一面をカラフルに占領しているし、
楽屋でつまんだりしてるうちに、
「暗黒以外は、おいしいんだな」と。
──
いつしか、お気に入りとなって。
TOBI
そうですね。

あー‥‥あと、緑色っぽいやつで、
苦手なのがあったかなあ。
太田
あ、カエルじゃないですか?
──
カエルのかたちをした緑色のグミ。
かなり思い切った商品です。
TOBI
うん、それ‥‥ちょっと苦手かも。
──
味というよりフォルム的に(笑)。
TOBI
味は青リンゴでおいしいんだけど。
これとかも、すごいですよ。
──
このカタチは、まさかの‥‥。
橋本
イモムシですね。
──
ズバリそれですか。
太田
イモムシは、ドイツのイチオシで、
本国では大人気だから、
絶対に日本もやったほうがいいと、
強くすすめられまして、
輸入を決めたという経緯があって。
──
ドイツの人の猛プッシュ‥‥イモムシ。
TOBI
たぶん、カエルもイモムシも、
子どもたちが大好きだからですよね。
──
ああ‥‥そうか。生きものとして。

子どもになったつもりで眺めると、
たしかに、ま、平気ですね。
TOBI
大人も、ヘビとか大好きですから。
ヨーロッパの人って。

わざわざ、東南アジアまで行って、
首に大蛇を巻きつけて、
ニッコリ写真に写ってたりするし。
──
それは何ですか、
ヘビセンターみたいなところで?
TOBI
いやいや、高級リゾートですよ。

あっちの人は、リゾート地へは、
主にヘビを巻きに行くんです。
──
うがった見方です。
TOBI
でも、イモムシは食べやすいね。
長細いから、つまみやすいし。
──
ちなみに、HARIBOといえばの
ゴールドベアのグミは、
1日に1億個、
製造されているんだそうですよ。
太田
そうですね。
TOBI
い・ち・お・く?
橋本
はい、世界中で。毎日1億個。
TOBI
そんなにつくる必要ある?
──
TOBIさん、ゴールドベアが
1日に1億個もつくられているのは、
それだけ必要だからでしょう。
橋本
需要と供給の関係です。
太田
ドイツ、フランスに加え、英国、
デンマーク、オーストリア、
スペイン、トルコ、ハンガリーという
10ヵ国16工場が稼働中です。
橋本
そして、のべ7000人の従業員が、
約150ヵ国以上へ、
HARIBOのグミを出荷しているんです。
TOBI
じゃあなに、毎日1億匹もつくられて、
それがぜんぶ、
みんなのお口へ入っていくっていうの?
太田
そうですね、どんどん。
TOBI
それっていったい、どんな気分ですか。
ゴールドベアさん。
ゴールドベア
‥‥‥‥‥。
<つづきます>

2019-04-10-WED