とんでもない、原丈人さん。 次の時代のヒントは、この人のなかに? 第4部 アフリカへ!


第3回 友だちになれるかどうか
これまで、いろいろうかがってきましたけど、
原さんのお話のなかに
「中国」が出てこないのは、なぜですか。

その‥‥興味ないんですか?
いや、興味はなくないんですけどね。
毎年、2回くらいは、行ってますし。
そうですか。
ただ、事業をやる気にならない。
なぜです?
中国のことが、よくわからないんです。

で、よくわからないところでやっても、
うまくいかないだろうから。
原さんが「わからない」と断言するのって、
けっこうめずらしいケースですよね。
ああ‥‥そうですかね。
年に2回行っても、わからないですか。
わからない。
おもしろいなぁ。
われわれの商品は売ってますよ、中国でも。

売ってはいるんですけど、
あの国でなにか事業をやろうというふうには
思わないんですよね‥‥。
原さんの「直感」が働かないのかな?
そういう国なのかもしれない。
いや、と言うのもね、このあいだ、
べつに用もないのに、
シャンハイに行ってきたんですよ。
ほう。
すごーく高いビルに登ったりしたら、
どう言ったらいいのか、
男の子っぽく「わくわく」したりするのかな、
なんて思ってたんですけど‥‥。
うん。
しなかったんです、べつに。

で、僕も、いまの原さんと同じように
「わかんないな」って
感想を持って、帰ってきたんです(笑)。
中国、あるいはインドなんかにしても
近いうちに「脅威」になるって
言いたてる人が多いけど、
わたしは、そうならないと思ってる。
どうしてですか。
もちろん、人口だってどんどん増えてますし
GDPはじめ統計的にも豊かになってますけど、
実際に行ってみると、
貧しい人ばかりが増えてるように見えるから。
ほー‥‥。
インドのニューデリーにしても、
ムンバイにしても、そう。

この20年くらいで、ずいぶん人も増えましたけど、
増加したうちの大部分は、スラムの人口でしょう。

統計上、豊かになったように見えてるだけだと思う。
実際その国に行って、実際に見てる人が言うと、
説得力がありますよね、やっぱり。
今回の金融恐慌のあと、日本に帰ってきてみたら、
世間は「派遣を切るな」という話が出ていた。

これがアメリカだったら、
ああいう議論は、もうぜったいに出ませんね。
やっぱりそうですか。
レイオフはある意味で、当たり前ですから。

でも、わたしはやっぱり
「派遣を切るな」という議論の出る日本のほうが
いいなと思ったんです。

そういうふうに、みんなが思う国のほうが。
そうですか。
その点、中国やインドに行って感じるのは、
成功してお金持ちになった人たちが、
となりの貧しい人たちを、
はたして、
同じ国の人と思っているんだろうかという‥‥。
ムードを感じるわけですか。
そう。だからね、そういう国のリーダーとは
まず、友人関係には難しい‥‥と思う。
ほー‥‥友だち。
うん。
逆に、バングラデシュとか、
スピルリナをやってるアフリカの国の場合は、
友だちになれたんですね。
そうですね。
いやぁ、その理由も聞いてみてよかったです。

友だちになれるかどうかだって、おもしろいなぁ。
すごく、単純なことですよね。
そういう意味で、
スピルリナで飢餓を解決しようとしてるアフリカや
ラテンアメリカの国々のリーダーたちは、
ブラック・ネットのプロジェクトや
公益資本主義の重要性を、理解してくれるんです。
ほう、そうですか。‥‥ラテンアメリカも。
ええ、どの国の財務大臣も、公益資本主義なんて
言葉を聞くのもはじめてなわけだけど、
みんな「これはいい」と言って、評価してくれる。

たまたま、わたしが日本人だから、
日本人って、
みんなこんなこと考えているのかと思って(笑)、
「こういう、日本みたいな考えかたを
 わが国では広げていきたい」
なーんて、言ってくれるんですよ、彼らは。
なんだか、うれしいですね。
でしょう? 

ボツワナだったか、ザンビアだったか‥‥も、
経営大学院を設立する構想で、
ハーバード式を、やめたと言ってましたし。
もう、実際にそういう影響を及ぼしてるんですね。
あるいはね、以前は「アフリカの駐日大使館」が
中国も管轄してたんです。
中国を、ええ。
ところが、このところは、
「中国に常駐している大使が日本も管轄する」
というふうに変わってきてた。
逆転しちゃってるんだ。
ところが、公益資本主義の考えを聞いたら
自国の将来をかたちづくる理念は日本にありと言って、
やっぱり大使館は日本に置くべきだと
アフリカの大使が、本国に進言したりしてる。

‥‥わたしは別に、外務省の役人じゃないけど、
そう言ってくれるのって、
純粋に、日本人としてうれしいじゃないですか。
ええ。
アジアやアフリカ、ラテンアメリカが
いちばん求めている
飢餓・教育・医療問題の解決策を
われわれが、きちんと手伝うことができれば、
きっと、
いい関係を、つくっていけると思います。
このあとしばらく
 映画の『007』みたいなホントの話が続くのですが、
 さすがに、そのまま発表はできないので、
 中略とさせていだきまして‥‥
 次回、アフリカの話へ、つづきます!

2009-04-22-WED