年明け早々、熱い授業が始まった「ほぼ日の学校」。

そのシェイクスピア講座第10回が、外に飛び出します。

河合祥一郎さんが講師を務める「シェイクスピアと音楽」は、
受講生以外のみなさんも交えて、草月ホールで開催します。

ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の中山真一さん、
リュートの坂本龍右さん、ソプラノ歌手の佐藤裕希恵さん、
そして、リコーダーの太田光子さんといった
プロの古楽器演奏家をお招きして、
シェイクスピアの時代の音楽を
生演奏で聴きながら河合祥一郎さんのお話を
聞くことができます。

  • シェイクスピアの劇は
    「詩」のことばで書かれており、
    詩には当然、リズムがあります。

    たとえていうなら、
    短歌の57577みたいに、
    シェイクスピア劇のことばにも、
    弱強弱強というリズムがあるのです。

    シェイクスピアのセリフそのものが、
    実は音楽であるというお話を
    シェイクスピア研究の第一人者である
    河合さんからうかがいます。

    英文学者。東京大学大学院総合文化研究科教授。

    専門はシェイクスピア。東京大学大学院博士課程修了。

    英ケンブリッジ大学と東京大学より博士号取得。

    博士論文は『ハムレットは太っていた!』と題して刊行
    されている(2001年サントリー学芸賞受賞)。

    シェイクスピア研究の第一人者で、シェイクスピア全作品
    上演を目標に掲げる彩の国シェイクスピア・シリーズの
    企画委員長も務める。主な著書に『謎解きシェイクスピア』
    『あらすじで読むシェイクスピア全作品』
    『シェイクスピア 人生劇場の達人』など。

    訳書は『ピーター・ブルック回想録』
    『シェイクスピアの驚異の成功物語』など多数。

    角川文庫でシェイクスピア戯曲の新訳を刊行中。

    1960年生まれ。

  • 古楽器演奏家のみなさんが、
    シェイクスピア劇の中で奏でられた曲や歌を
    実際に演奏してくださいます。

    中山さんのプロフィールはこちら

    東京大学理学部生物学科に入ったものの、
    やはり音楽をやっていくことを選択して、
    ジュネーヴ音楽院古楽センターに進み、
    ヴィオラ・ダ・ガンバ専攻で卒業。トゥール音楽院で
    ルネサンスダンスとリローネを学ぶ。

    在学中よりEnsemble Elyma, Ensemble Concertoほか
    ヨーロッパの多くの古楽アンサンブルのメンバーとして、
    また独奏者としてスイス・イタリア・フランスなど各地の
    コンサート、音楽祭、録音などに参加。帰国後は
    パリで創設したグループHarmonia Grave e Soaveの日での
    公演のプロデューサーとして、また古楽のほかジャズや即興、
    ダンスとの共演も多く行っている。演劇作品への出演も多く、
    2016年には河合祥一郎主宰のKawai Projectで
    シェイクスピア作『まちがいの喜劇』公演の
    舞台上での演奏を担当した。

    Photo by Ruriko Nakayama

    坂本さんのプロフィールはこちら

    東京大学文学部(美学芸術学専攻)卒業後、バーゼル・
    スコラ・カントルムに留学し、リュートをはじめとする
    撥弦楽器をホプキンソン・スミス氏に師事、
    2011年に優秀賞付きで修士課程を修了。同校に新設された
    ルネサンス音楽科に進み、アン・スミス氏にルネサンス
    音楽理論を、クロフォード・ヤング氏にプレクトラム・
    リュートを師事し、2013年に修了。

    同年ラクィラ(イタリア)での国際古楽コンクールにて
    第1位ならびに聴衆賞。在学中より多彩なアンサンブルに
    所属し、各国の古楽祭に出演する他、ソリストとしても
    フランス・ドイツ・イギリスの各リュート協会より招聘を
    受ける。録音も自身のソロCD「Travels with my Lute」
    「Polyphony & Diminution」を含め数多い。
    奈良出身。

    http://ryosukesakamoto.com/

    佐藤さんのプロフィールはこちら

    東京芸術大学声楽科及び同大学院古楽科修士課程卒業。

    卒業時にアカンサス賞受賞。スイスのスコラ・カントルムで
    学び、バロック科修士、中世・ルネサンス科修士課程修了。

    第2回国際古楽コンクール第一位(ポズナン)、
    第28回国際古楽コンクール山梨第一位及び上原賞(山梨)、
    第2回ヘンデルアリアコンクール第三位(マディソン)を
    受賞。中世から古典派までのレパートリーを中心に、
    オペラやアンサンブルのソリストとして国内外共に精力的に
    活動。特にオペラでは、渡欧前ミュージカルや芝居の舞台に
    多数主演した経験を活かし、現地の演出家やメディアより
    好評を博す。

    https://www.yukiesato.com/

    太田さんのプロフィールはこちら

    上野学園大学卒業、ミラノ市立音楽院を
    ディプロマを得て卒業。第16回国際古楽コンクール<山梨>
    第1位受賞。音楽の友誌「35人の音楽評論家・音楽記者が
    選んだコンサートベストテン」に、
    ソロ・リサイタル「リコーダーの飛翔」がノミネート。

    故G.ボッセの指揮のもと神戸市室内合奏団、
    名古屋フィルハーモニー交響楽団等に客演。

    「ヴィヴァルディ/リコーダー協奏曲」、「イタリアへの夢」、
    「イタリアへの夢 II」(第49回レコード・アカデミー賞ノミネート)
    などCD多数。CS放送(スカパー)ベネッセチャンネル
    「実践!プロが教える実技教科・音楽」に講師として出演等、
    様々なかたちでのリコーダーの普及活動にも努める。

    近年は福岡古楽音楽祭、名古屋バロック音楽協会をはじめ、
    各地でのマスタークラス講師として招聘、
    全日本リコーダーコンテスト審査員を務める等、
    後進の指導にも力を入れている。

    山岡重治、ペドロ・メメルスドルフの両氏に師事。

    現在上野学園大学非常勤講師。

    http://otamitsuko.music.coocan.jp/

「シェイクスピアの音楽会」に向けて、3月半ば、
河合祥一郎さんと演奏者の方々との打ち合わせと
初音あわせがありました。

河合さんから本番のプログラムと曲目が紹介され、
ひとつひとつ、誰が何をどう演奏するのか、
まずは全体の流れの確認です。

『お気に召すまま』第5幕第3場で歌われる
It was a lover and his lass(それは恋人たち)は、
調子の良い賑やかな曲なので、河合さんは
リフレインのところを会場みんなで歌えるといいなぁと
考えていました。

hey ding a ding, ding
hey ding a ding, ding
と繰り返すところです。

すると、ソプラノ歌手の佐藤裕希恵さんが、
「唐突に入るから、けっこう難しいですよ」と心配顔。

リュートの坂本龍右さんも、
「そうですねー」と思案顔。

ともあれ、あとでやってみましょう、
ということになりました。

7番目に予定されているHold Thy Peaceという歌は、
「静かな湖畔」のように輪唱ができる曲だそうです。

『十二夜』第2幕第3場で歌われます。

英語の輪唱は難しいので、
みんなで日本語で歌おうということになりました。

サビの部分の訳詞はなんと、
「黙れ、この馬鹿」。

いったい、どんな輪唱になることやら‥‥。

そのうち、ヴィオラ・ダ・ガンバの
中山真一さんが楽譜を何枚か机に出しました。

見慣れない記号がたくさん並んでいます。

このページのタイトル周りにも使われていますが、
現代の楽譜とはまったく違う作りです。

しかも、1枚の譜面は、
四方に向けて楽譜が書かれています。

これは、丸いテーブルなどの中心に置いて、
みんなで囲んで一緒に見ながら
合奏するための楽譜なのだそうです。

想像するだけで楽しいですよね。
1600年頃、シェイクスピアの時代。

音楽家たちが向かい合って座って、
ひとつの譜面を間にはさんで一緒に演奏する。

合奏というものの本質を
1枚の紙に閉じ込めたような楽譜です。

全体の流れを確認したあとで、
いよいよ「音あわせ」が始まりました。

坂本さんが、おしゃべりをしながら
リュートを軽やかに奏でます。

それに中山さんが、
「じゃ、こんな風にあわせますね」
とか言いながら、ゆったりとした低音を響かせます。

みんなで歌えるのか懸念された
「それは恋人たち」を佐藤さんが歌ってみると、
たしかにリフレインに参加するのは、
大縄飛びに入るくらい
タイミングが難しそうなことがわかりました。

それにしても、佐藤さんの歌声の見事なこと。

軽い練習であの響きなら、
いったい本番はどんなことになるのでしょうか。

残念ながらこの日は、
リコーダー奏者の太田光子さんは欠席でした。

5月29日には、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバに
リコーダー、そして歌声があわさって
2018年の東京に、17世紀のヨーロッパの音が蘇ります。

おわり

  • この日のために結成されたリコーダー合奏団
    受講生19人とリコーダー愛好家21人の合奏団総勢40人が、
    シェイクスピアの時代のリコーダー曲を演奏します。

    リコーダーワークショップ参加者募集の
    お知らせページはこちら▼(募集は終了しています)

  • 日時:2018年5月29日(火)

    会場:草月ホール

    18時開場 19時開演 21時終了予定

    全席指定6,480円(税込み)

    第1部
    講演「シェイクスピアのセリフの音楽性」

    登壇者:河合祥一郎(シェイクスピア研究者、
    東京大学教授)
    第2部
    リコーダー合奏
    第3部
    シェイクスピア時代の音楽を聴いてみよう!

    中山真一(ヴィオラ・ダ・ガンバ、テナー)

    坂本龍右(リュート)

    佐藤裕希恵(ソプラノ)

    太田光子(リコーダー)

    チケット販売開始:4月6日(金)

    チケットはこちらから▼