To be, or not to be, that is the question:
あの有名なセリフで知られ、
シェイクスピア最高傑作として名高い『ハムレット』を、
シアターカンパニー・カクシンハンが上演します。

演出は気鋭の演出家・木村龍之介さん。

ほぼ日の学校「シェイクスピア講座2018」の
「先発・中継ぎ・抑え」を担ってくださる
講師陣の若き支柱でもあります。

4月14日(土)から22日(日)までの
カクシンハンの公演のうち、4月15日(日)13時の回を特別に、
「ほぼ日の学校」とのコラボDayとしていただきました。

通常の公演に加え、終演後に木村さんと俳優さん、
ほぼ日代表の糸井と学校長・河野の
アフタートークも行います。お席に限りはありますが、
一緒に躍動するシェイクスピアを味わいましょう!

カクシンハン第12公演「ハムレット」

2018年4月15日(日)午後1時開演
池袋シアターグリーン(豊島区南池袋2−20−4)
出演:
河内大和さん、のぐち和美さん、真以美さん、
岩崎MARK雄大さん 他
  • 河内大和さん
  • のぐち和美さん
  • 真以美さん
  • 岩崎MARK雄大さん
料金:
※U22チケット3,500円(発券手数料別)

※U22チケットは、22歳以下のお客様に限定した
特別割引券です。各回10席限定&ご来場の際要証明書提示。
未就学児の入場はご遠慮ください。
チケット発売:
2月26日(月)正午

こちらのページから購入できます。

詳しくは、カクシンハンのホームページをご覧ください。

舞台が立ち上がる前の熱気

「ハムレット」はマラソンのようなもの。

演出家の木村龍之介さんはそう言います。

42.195キロを走ったことがあるかどうか、
その差で人生は違ったものになる。

そんな言い方があるように、
シェイクスピア劇「ハムレット」を
観たことがあるかないかで人生は変わると思う。

そう、言うのです。

いったいカクシンハンの「ハムレット」は、
どんな風に立ち上がるのか。

2月はじめ、都内で行われた初顔合わせと
本稽古前のワークショップを見学してきました。

シェイクスピアは圧倒的な現代劇

「若いカンパニーだからこその
『ハムレット』を作りましょう」

この舞台のために集まった役者さんとスタッフに、
木村さんはまず呼びかけました。

450年前に書かれた戯曲とはいえ、
シェイクスピアが生きていた当時のイギリスは寿命が短く、
舞台にいたのは巨匠というより、若き俳優たち。

だから、臆することなく「圧倒的な現代劇」をやる。

「未知の可能性に満ちた新作」をやるつもりで、
「ハムレット」に取り組むのだ、と。

そして、それぞれ自己紹介のあと、
座ったまま第一幕第一場の台本読みがはじまりました。

2人の歩哨、バナードーとフランシスコ登場
2人の歩哨、バナードーとフランシスコ登場
バナードー
誰だ。
フラシスコ
なに、貴様こそ。動くな、名を名乗れ。
バナードー
国王万歳!
フランシスコ
バナードーか。
バナードー
そうだ。
フランシスコ
よく来てくれた。時間厳守だな。
バナードー
ちょうど12時を打ったところだ。帰って休め、
フランシスコ。
‥‥
‥‥

仮の役を決めて、セリフ読みが進みます。

Who's there?

自由に考えていい。ここは試す場だから。

そう言わんばかりに、岩崎MARK雄大さんが
英語まじりに読みあげます。

ハムレット出演が7回めになる河内大和さんは、
声を発した瞬間に、その場を舞台に変えます。

ときにささやきながら、ときに空を仰ぎ見る姿は、
スポットライトを浴びたかのような輝きを発します。

「演技としてやるのではなく、
人間としてやってみてもらえますか?」

木村さんから時折、指示が飛びます。

「シェイクスピアは人間を書いています。

亡霊が出たら驚くし、父を失えば悲しい。

まず、人間だったらどうだろう、と
考えてみてください」

「ハムレット」は大切な作品

ワークショップの間は試してみる期間だから、
いろんなことをやって、全力で楽しんで欲しい。

そう言う木村さんですが、飛び出すのは、
なかなか抽象的で思索的な注文です。

カクシンハンの旗揚げ公演の演目でもあった
「ハムレット」。

木村さんにとって思い入れの深い、
とても大切な作品です。

それだけに、「闘う魂」のぶつかりあう稽古場は、
真剣勝負の場なのです。

オーケストラでいえばコンサートマスター。

自身の役を演じつつ、
全体の演出イメージを具現化する
河内さんがこう鼓舞します。

「字が多くて文字に踊らされるけれど、
詩だからといって詩にしてしまってはダメ。

読み込んで、読み込んで、自分の感覚で語れば、
必ず人間のことばになる。『つかめた』と思う瞬間がくる。

詩で書かれたものに、自分の血と肉を与える。

そこまでキツい、根気強い作業になる」

でも、「それが楽しいんだ」と、
木村さんは言い添えました。

(つづきます)

2018-2-22-THU

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