雑貨を仕入れに世界中を旅する
松本さんのお話。その2
[
足で回る、足で考える]

── 松本さんはもともと、
このような雑貨の買い付けのような仕事を
長くなさっていたんですか?
松本 僕はもともと繊維のウエアの方だったんですよ。
フィールド/ドリームを始めるにあたって
はじめて、こういう分野の仕事をしました。

── まずどうやって??
松本 情報として、「雑貨ショー」というのがある、
ということは知っていたので、まずはそこへ行きましたよ。
フィールド/ドリームに置くことになった
雑貨との、一番最初の出会いが
アメリカの雑貨ショーなんですよ。
で、当時ニューヨークでやっていたショーに、
みんなで行ったんです。ここのメンバーで。
立ち上げメンバーの
企画の主だった人間、5、6人で
行ったんじゃなかったかなあ。

── みんな雑貨に関してはプロじゃない人たち?
松本 プロはいません。
雑貨のデザイナーって言っても
元々の本業はシーツとかタオルとか、
いわゆるクロージングと言われる
関係の人ばかりだったんです。
だから雑貨のプロとは言えないですよね。
その人と二人とか三人で
「ああでもないこうでもない」って始めました。
僕は物を作る企画の方じゃなくて、
輸入雑貨の買いつけのやりかたとか、
だんどりを取ったり、
交渉したりっていうのがメインでしたし。
それでニューヨークに行ったんですが
メーカーを見たら、ほとんどがアジアなんですよ(笑)!

── アメリカで、アジア同士が出会ったんですね。
松本 すごい感じのいい、
ウッドのフラワーベースとか、タイのメーカーさんで。
「ここがいい!」って騒いで、名刺交換して
「必ず行くから!」ってタイに飛んだんですよ。
瀬戸物関係と、ローズウッドとマンゴーかな、
木製の雑貨がよかった。
で、値段を聞いてみると、アジアに行けば
アメリカで買う値段の半分くらいで
買えるんだということがわかってくるんです。
つとめて仲良くなって
毎シーズンオーダーするようになったんです。
そういうふうに、こういうアイテムがいいなっていうのを
ショーで見て、実際にフィールド/ドリームに置くものの
ヒントをつかんで発注はアジアで、
というところからスタートしました。
その後は、今のところ雑貨の企画マンが二人いるんですが、
彼らと一緒に雑誌を見たり、街を歩きながら、
ヒントをつかみます。
色んなブランドの携わってる人に聞くと、
「足で稼ぐしかないよ」って言われるんです。

── 大変だけど、そうですよね。
答えは町の中にあったりするんですね。
頭の中じゃないって。
みんなの中にあるんだって。
松本 うん。僕らは、まだ、動いてないほうです。
そういうブランドの方々は
海外はほとんど歩き回ってるって。
アメリカでも雑貨ショーの間に
お店回るじゃないですか。
そしたらかならずいるの、そういう人たちが。

── 必ずいるんだ!
松本 僕らなんかよりも、先に。
情報はだいたいみんな一緒なんですよね。
ここ行けあそこ行けっていう情報、
一応とるじゃないですか。
そこの店探しながら歩いていったら、
必ずそこで、彼らが商談やってる。

── そういうなかで、ポプリだと思ったのは
どういうことなんですか?
松本 うちの店をやるときに、
メンズとウィメンズのウェアと、
雑貨をやるんだというコンセプトで、
雑貨としてうちは何がいいのというのは、
かなり、迷っていました。
その中でいろいろなものにトライしてみようよ、
と考えていました。
うちの、フィールド/ドリームのブランドって
結構大人で、しゃれた感じのところを
狙っていますよね。
そのイメージに合っていたのが、
キャンドルとポプリだったんですよ。
男性向けの雑誌なんかでも、
生活感をちょっと上げましょう、
ステイタスのある生活感、みたいなことが
今、はやってきてると思うんです。
やっぱりね、プライベート空間をいかに楽しく、
っていうのは、一つの流行だと思うんですよね。
「癒し」がはやってるからなのかもしれないんですけど、
ほっとするやつがなんか、普段ごちゃごちゃした中に
ここだけはちょっと持ちたいな、っていうのに
キャンドルとかポプリって合いますよね。

── 合いますね。
松本 都会生活っていうのかな、
そんなのにある「もと」って何だろうっていうのを
ずっと考えてたのっていうのは確かなんですよね。
僕らに合う、店に合う雑貨ってなあに、みたいな。
それを探してたのが確か。今も探してるんですけどね。
その中でたまたまポプリって評判も良かったし、
これは続けましょうよ、
フィールドリームに行けば、いいポプリがあるよ、
というイメージを確立したかったですね。

 

第一回 [ポプリ]

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