おさるアイコン ほぼ日の怪談

「私の首が‥‥」

つい最近、自分の部屋で体験したことです。

夏が近づいてきて、寝苦しくなってきた夜でした。
熟睡していたら、圧迫されるような感覚で
眼が覚めました。

「ああ、金縛りだな。」

眠たい頭で、今日は疲れてたしな。
などと思っていると、
圧迫感がどんどん増して行きます。

「何かおかしいな」

と思った瞬間、ぐんっと圧迫感が増して、
息苦しさすら覚えるようになりました。
特に頭の辺りを
ぐりぐりと押さえつけられる感じで、
脂汗が浮かんできました。
そして、どこからか上のほうから
男の人の声がぼそぼそと聞こえてきました。

「‥‥だな? ‥‥だろうが。」

話している内容が良く聞き取れませんが、
私に何かを諦めろといってるようでした。
訳も解らずに私は、

「そんなことない!! 絶対無い!!」

と必死に抵抗しました。

そんな攻防が五分も続いたあたりで、
男の人の声が明らかに苛立ってきて、
とうとう頭中に響き渡るような大声で

「これでもそういうかっ!!」

と言った瞬間、私の枕元に、どさっと、
私の首が血まみれで堕ちてきました。

それでも私は
「私は死なない!!」
と叫び返しました。
(実際は唸り声を上げただけでしたが‥‥)
その瞬間金縛りが解けて
すっと体が楽になりましたが、
もう夜が明けるところでした。

今まで何度か金縛りには遭いましたが、
あんなに怖い体験をしたのは初めてでした。
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