おさるアイコン ほぼ日の怪談

「笑う子」

大学4年生の夏、
地元の友達と久しぶりにカラオケに行った夜でした。
飲み放題のお酒と流行の歌に
盛り上がっていたところ携帯が鳴り出したので、
そっと廊下に出ると、
「明日帰ってくるのーー?」
別の友達からの誘いの電話でした。
久しぶりの声に、夢中に話していると、
目の前の部屋のガラス戸に
2歳くらいの子どもがいるのに気づきました。
満面の笑顔で手を振る赤ちゃん、
電話に気をとられながらも
どこか不自然さを感じた瞬間、
足元からザワッと全身の毛が逆立ちました。
よくよく考えてみると時間は深夜の1時過ぎ、
それも目の前の部屋には誰もいないのです。
怖くて声も出せないまま
慌てて部屋に逃げ帰りました。
友達に確認してもらっても、
やはりその部屋は空き部屋でした。

あの子の顔は忘れられません。
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