おさるアイコン ほぼ日の怪談

「見つめる眼」

実際に私の体験した気味の悪い、怖い話です。

俗に言う「金縛り」というやつなんですが、
今思い出しても怖いです。
それくらい、単純な「金縛り」じゃなかったんです。
実家の私の部屋では、
寝ているとよく金縛りにあうんですが
(それもホント嫌でした)、
その日は、疲れてもないし、
普通に眠っていただけでした。
本当に、普通に眠ったんです。
その後、はっと気がつくと、
「あぁまたか」という感じで金縛りにあったんです。
でも、いつもと違う感じがします。
「ん、待てよ、目が開かないのに、
 何かが見えてる」
そんな気がしたんです。
そう思っている間にどんどん体が重くなって、
完全に動かなくなりました。
いつもなら、無理にでも腕を動かして
金縛りをとこうとするんですが、
それどころではなくなったんです。
真っ暗な部屋で、物音一つしない。
しかも体が動かない。
何かが上に乗ってる感じ。
そう、何かが上に乗ってる感じがしたんです。
結局、そのまま気を失うようにして眠りました。

次の瞬間です。
やはりまだ金縛りの状態でした。
今度ははっと目を開けました。
すると目の前に、何百体という人形が、
私を近距離でじーっと見ているんです。
日本人形、西洋人形、中国人形などの、
あのリアルな人形が、たくさん。
余りに怖くなって、「あー!」声を出した
(と思うんです)瞬間、がばっと起きていました。
しかし、もうそこには何も見えませんでした。
私の部屋には、
そんな類の人形はひとつも置いていません。
あれは、何だったんでしょうか。
今でもあの冷たい、刺すような視線を思い出すと、
怖くなります。

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