おさるアイコン ほぼ日の怪談

「終わらないトンネル」


山形に妹とその旦那が旅行に行った帰りの事です。
山形と宮城の県境に近いとあるトンネルを、
深夜に車で走っていると、
急にその時かけていた音楽CDが、
まるでレコードの音飛びの様に、
何度も同じフレーズだけ流れ始めたのです。
旦那は、CDが壊れたのかと思ったのですが、
その時、恐ろしい事に気がついてしまいました。
車がトンネルの中を1台も走っておらず、
1キロ足らずのトンネルを、
もう10分も走っている事でした。
あわてて妹を起こそうと、
旦那は助手席の妹に目を向けましたが、
窓の方を向いて熟睡している妹を起こす勇気が
出ませんでした。
ここで妹を起こして、
振り返ったら妹じゃなかったらどうしよう!?
旦那は、妹も起こせず、
CDの電源も消す事が出来ず、
延々と同じ音楽の流れる、
同じ場所を走ったそうです。

旦那は、二度と深夜にそのトンネルを走らないと、
心に決めたそうです。
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