怪・その40

「歩きまわる気配」

これは、私が
中学生の時に住んでいた家での出来事です。
私はもともと見えやすい体質だったのですが、
その中でも一番怖かった出来事です。

私は妹と同じ2階の部屋で、
2段ベッドの下で寝る事にしていました。

そろそろ寝ようと思い、
部屋の電気を消して布団に入りました。

それからしばらくすると、
急に何かが
階段をゆっくりと上ってくる気配を感じました。

はじめは、まあ時々ある事だしと
気にしないようにしました。

しかし、階段を上りきった気配が
一旦ピタリと止まると、
今度はヒタヒタと足音になって
私たちが寝ている部屋に向かって
廊下を歩いてきたのです。

これは絶対に
起きてることを知られてはいけないと思い、
目を瞑ってやり過ごす事に決めました。

そしてついに、足音が部屋に入ってくると、
グルグルと部屋を歩き回り、
またピタッと足を止めたかと思ったら、
私たちの寝ている2段ベッドに向かって

ゆっくりヒタ、ヒタ、と歩いてきました。

そして私の寝ている前まで来て足を止め、
何をする訳でもなく
そこに気配があり続けました。

それからしばらくすると、
足音が部屋の壁の方に向かって歩きだし、
音が遠のいて消えると同時に
部屋に立ち込めていた重い空気が
フッと軽くなりました。

この出来事は、一週間程毎日、
決まって私たちが寝る時に起こりました。

始めは何も感じていなかったら妹でさえ、
3日目くらいから音を聞くようになりました。

今は別の家に引っ越しましたが、
あのとき目を開けたら
何がいたんだろうと思い出すたびに
ゾワっとする出来事です。

(n)

こわいね!
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2018-08-14-TUE