怪・その20

「エレベーターの同乗者」

小さいころから、
周りの人には見えないお友達と遊んでいた、私。
いわゆる「霊感」が
強いほうなのかもしれません。

それまでも、ちょこちょこ、
不思議な体験をしたり、
人には見えないものを見てしまったり
していましたが、
一番印象的で、不思議で、
悲しかった体験をお話します。

それは私が大学1年の時の話です。
親元から離れ、下宿していた私は、
ワンルームタイプの
学生用マンションに住んでいました。

ある日、飲み会で遅くなった私は、
先輩方と別れ、
一人でマンションのエレベーターに
乗り込みました。

私の部屋は最上階の8階でした。
行先ボタンを押した私は、
上がっていくエレベーターで
入口のほうに向かって
ぼーっとしていました。

なんだかいつもより
上昇するスピードが遅かったことを
覚えています。

ふと、行先階ボタンをみると、
なぜか、一つ下の階の
「7階」を示すボタンも点灯しています。

私一人しか乗っていないのに‥‥。
もしかして一緒に押してしまったのか‥‥?

と思ったとたん、
急にぞわっと寒気がしました。
背後に人のいる感覚があるのです。

もしかして、
久しぶりに何かをみてしまうのか‥‥?
と思いながら、
狭い個室、
後ろを振り向く勇気がありません。

そうこうしているうちに
エレベーターは一つ下の階、
「7階」に。

エレベーターは停止し、
すっと私の横を何かが通り抜けました。

なんとなくお線香のような香りがし、
ふわっとした煙のようなものが
通り抜けるような感じでした。

そして、ドアが閉まる直前、

その煙が
小さな女の子の後ろ姿に変わったのです。

なんだか古めかしい服を着た、
ちょっと時代はずれの女の子でした。

怖いのに
その後ろ姿から
目が離せなかったことを覚えています。

私のマンションは学生用・そしてワンルームで
家族が住んでいることはありません。
しかも夜中です。

そのことを先輩に話したところ、、
そのマンションの近くの森で、
十数年前に誘拐された少女が
埋められている状態で見つかったという事件が
起こっていたことがわかりました。

私がみたのはその子だったのしょうか。

そのことがあってから、
私の「霊感」はすっかりなくなりました。

(m)

こわいね!
2015-08-16-SUN