おさるアイコン ほぼ日の怪談2010
怪・その34
「消せない電灯」


私が大学生の時の話です。

アルバイト仲間のKくんが
一人暮らしを始めたので、
他のバイト仲間と一緒に
新居に遊びに行きました。

二階建てのワンルームアパートで、
Kくんの部屋は1階の一番奥の部屋でした。

ロフト付き、風呂トイレ別、
エアコン・洗濯機付き、
駅から徒歩10分で家賃4万円だというので
その部屋で即決したそうです。

天井も結構高く、
室内も新築同様に見えたので
「Kくん得したね〜」と
みんなで言い合いました。

しかしKくんはなんと
「近いうちに別の所に引っ越す」
とのこと。


というのもある夜、
Kくんがカーテンを開けっ放しにしたまま
部屋を薄暗くしてテレビを見てると、
ふと見た窓ガラスに
動くものが目にとまりました。

ガラスに反射して、
自分の後ろにあるロフトの上で
なにかが動いているのが見えます。

ガラスに目を凝らして、
それの正体に気付いたとき、
体が硬直しました。


知らない男の人が正座をして、
「うん、うん」と、うなずくように
首を前後に動かしています。

うなずきは次第に
「こくん、こくん、
 こく、こく、こく、
 こくこくこくこくこくこく、
 ガクガクガクガクガクガクガク‥‥」
と早くなり、
表情もわからないほどの早さになりました。


その男の人は毎夜現れるそうです。
だから、
夜中でも電気を付けっぱなしにしないと
怖くて眠れない、
とKくんは話していました。

その後Kくんは、
その部屋を引っ越しました。

後日、深夜三時くらいに
そのアパートの前を通ったKくんは、
以前自分がすんでいた部屋に
明かりがついているのを見たそうです。

おそらく、あの男性はまだ
その部屋に出続けているのでは
ないでしょうか。

(S)


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2010-08-30-MON