おさるアイコン ほぼ日の怪談2010
怪・その24
「発光する子」


私が小学校の
3、4年生の時だと思います。
家族で、遊園地に遊びに来ていました

その日はあいにくの曇り空で、
日中でもほの暗く、
時雨ていたように思います。

家族と次のアトラクションへ
向かってたときです。


道の左端を歩いていた私の左に、
男の子がいることに気付きました。

小学生の私と、同じぐらいの背丈です。


そして、男の子は
すべてが真っ白でした。


肌も唇も毛も服も、
真っ白というより、
発光しているみたいに。

ただ一つ、
目の瞳孔だけが
黒く
まあるく
私を見ています。


こわいよりも先に、
なんだこれは、と思った私は
右隣にいた母に声をかけました。

そして次に左へ振り返ったとき、
もう男の子は、いませんでした。


後にも先にも、
こんな体験は一度きりです。

(u)


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2010-08-20-FRI