おさるアイコン ほぼ日の怪談2009
怪・その28
夏休みの昼寝


これは同僚の女性から聞いた話です。
彼女はよく「遭遇する」人らしく、
いろんなエピソードを披露してくれるのですが、
聞いた中でも一番怖かった話です。

彼女は学生時代、京都に下宿していました。
古い下宿では、
不思議な体験が多くあったそうですが、
夏休みのある時、昼寝をしていて、
ふと台所で物音がしたそうです。

すぐに誰かが居ることを感じて
おそるおそる起きてみると
男の人らしき人が
後ろ向きに台所のテーブルの所に座り
何かを食べている様子だったそうです。

びっくりした彼女は、
空き巣か泥棒かもしれないと思って怖くなり、
何か護身になるものが無いかどきどきしながら、
あたりを見回していました。

すると、その男が、
気配に気づいたらしく、
食べていた動きが止まり、
ゆっくりと彼女の方を振り返ったそうです。

その顔が、今でも忘れられないそうです。

それは、
顔だけで目も鼻も口も無い、
のっぺらぼうの顔だったそうです。

(blue wall)


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2009-08-25-TUE