おさるアイコン ほぼ日の怪談2007

怪・その1
「二階まで」

これは8年ほど前、
中学生のころ、友人から聞いた話です。

夏休み中のある夜、
友人は二階にある自分の部屋で
ヘッドホンで音楽を聴きながら勉強していました。
友人の部屋は弟と共同で使っており、
弟はその時横でぐっすり眠っていたそうです。

ある曲が流れているとき、
友人は異変に気づきました。

曲中にあるはずの無い
若い女の笑い声が聞こえてきたのです。
ケタケタと、底抜けに明るいその笑い声を
不気味に思い、友人は停止ボタンを押しました。
しかし、停止ボタンはなぜか効かず、
笑い声は流れ続け、
友人は最終手段、とばかりに
コンポの電源を抜きました。
しかし、それでも笑い声は止まりませんでした。

コレはまずいと思った友人はヘッドホンを投げ、
布団にもぐりこみました。

すると、

ギシッ‥‥ギシッ‥‥

と、誰かがゆっくりと階段をのぼってくる音が
聞こえ始めたのです。

ギシッ‥‥ギシッ‥‥


その時のことを、友人は僕に恥ずかしそうに、
「あのな、人間本当に怖い時って、
 気ぃ失ってしまうんだよ」
と言いました。
二階まで迫ってくるあまりの恐怖に、
友人は気を失ってしまったらしいのです。


しかし、
友人の話はここで終わらなかったのです。


友人は我が家で起きた不気味な体験を
家族にも友達にも話せずに
夏休みを過ごしていたそうです。

しばらく経ったある日、
夕方、クラブを終え帰宅した友人は、
家に入った瞬間に、
弟のけたたましい叫び声を聞きました。

あわてて二階にあがり、部屋の中を見ると
弟がガタガタ震えていたそうです。

どうしたのかと話を聞くと、
弟は二階のドアを指差し、

「女の人が覗いてた‥‥」

と。

床と平行に、階段から頭だけ出して
覗いていたそうです。

(kaya)


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2007-08-01-WED