おさるアイコン ほぼ日の怪談2006

怪・その24
「ベーコン」

海外のとある国に留学していたときのことです。
留学といっても都会ではなく、
10分も歩くと畑が広がる、
そんなド田舎での話です。

百貨店はあるものの、雑貨専門。
食材を買って料理をするためには
市場に買い物に行かなくてはなりません。
野菜は一袋いくらで取引され、肉は塊が基本。
スライスなんてしてくれません。

そこではベーコンは、
ブタの皮、脂肪、肉が一体となった、
大きな塊で売買されていました。

ある日買ってきたベーコンには
一本の毛が残っていました。

そんなこと別段気にすることもなく料理し、
大きな塊なので、使い切ることもできず、
ジプロック(日本から持参)にいれて
冷蔵庫に保存しました。

それからしばらく外食が続き、
5日ほど料理をしませんでした。
さすがのベーコンもさっさと使わないと
悪くなるかもしれない、
そう思いベーコンの入った袋を開けると‥‥、

ベーコンは、
1本だったはずの毛が大量に増え、
まるで、今、ブタの背中から切り取ったかのように
ふさふさした毛が生え揃っておりました。

皮膚の断面のところは、買ったときのまま
燻製された茶色です。

それ以来、ベーコンを買うときは、
皮と脂肪をその場で
取り除いてもらうようにしています。

(kame)


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2006-08-21-MON