怪・その10
「修学旅行」
６年生の時、修学旅行である旅館に泊まりました。
私達の部屋の前には日本人形が座っていました。
就寝時間まで心理テストや怖い話などをして
盛り上がっていました。
10時の就寝時間になり、寝ることにしました。
先生はノックもせずに部屋に入ってくるので、
嫌だなあ‥‥などと友達と話をしていました。
みんなが寝静まり、私もうとうとしてきた所で、
ふと思い出しました。
怖い話をしていた時、
「この旅館は、真夜中、決まった時間に
ノックする音が聞こえる。
そのとき、絶対にしてはならないことがある」
ええとそれは何だっけ？と考えているうちに、
いつの間にか眠りについていました。
５時くらいにトイレに行きたくなって目が覚めました。
部屋についていたトイレに行こうと思い、
立ち上がったその時です。
・・・・・・・トントン・・・・トントン・・・・・・・
とノックの音が聞こえたのです。
なんだろう、と思い私はドアの前にいきました。
そして思い出しました。
真夜中にノックの音が聞こえたら絶対にしてはいけない事。
一つは「ドアを開けてはならない」
もう一つは「返事を返してはならない」
のぞき穴からのぞくことなど出来ませんでした。
私はトイレに行く事も忘れ、布団にもぐりこみました。
次の日の朝、同じ部屋の友達にそのことを話したら、
友達は確かにノックの音を聞いた、と言っていました。
そして、こう言いました。
「それってやっぱ先生じゃないよねぇ。
それでさ、４時半位に私のぞき穴から見たんだけど、
立ってたよ、日本人形みたいなんがさ。」
冷静に言う友達の姿もまた怖いものでした。
（Hi）
2005-08-12-FRI
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