何を考えているのかは、当初は私も明確ではないわけです。川久保玲「アンリミテッド:コムデギャルソン」(平凡社)より引用
05 質問: 単行本のデザインを担当して、 コムデギャルソンという集団を どう思いましたか?
やはりコム デ ギャルソンは すごい組織だと思いますし、 川久保玲さんの言葉はとても興味深いです。 もちろん本を読んでも川久保さんのすばらしさの すべてがわかるわけではありませんが、 川久保さんの非凡さを言葉というかたちで垣間見られるのは、 すごくいいと思います。
僕はグラフィックデザインの 仕事をしているので、 形のあるものを作っているとは言っても 川久保さんとは分野も違うし、 美意識も価値観も違うとは思うのですが、 川久保さんの言葉には 納得させられますよね。ひとつには 「やっぱり、  特別なマジックがあるわけではなく、  ただただひたすらやる、  ということでしかないんだなぁ」 ということを思いました。
具体的な形で 提示しなければいけない仕事ですから、 やはりコムデギャルソンにも 試行錯誤があり、努力があり、 夜遅くまでやり、 制限時間ギリギリまで悩む…… ある意味ではふつうのことなのですが、 それを徹底して遂行している、そして 他と違う結果を出し続けているところに コムデギャルソンの 非凡さがあるわけですよね。
川久保さんの発言は、 作り手なら誰もがそうできればいいなぁと 考えているであろうある種の理想論ですけど、 現実をかなり理想に近づけて 二十何年も続けているというところが すごいと思うんです。
おそらくコムデギャルソン内でも 川久保さんの考えと 矛盾する現実もあるでしょうし、 理想通りにはいかないところも あるのではないかと想像するのですが、 それでも川久保さんが見事なまでに 理想や建前を押し通しているところが、 かっこいいと思いました。
建前と本音とでは つい本音がもてはやされがちですが、 本音って「弱気」のあらわれだったりしますからね。
『Unlimited : COMME des GARCONS』
(清水早苗+NHK取材班・平凡社刊)
感想をおくる 友達に知らせる もどる 2005-07-12 
Photo : " Unlimited : COMME des GARCONS " ( COMME des GARCONS + NHK )
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