エナガのねぐら。  カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓
 
今週のエナガ  観察日 2012年5月23日 − 5月29日  続・ぎゅうぎゅう
 

先週見つけた七羽の巣立ち雛、
今週は毎日観察できました。
いつにもましての大増量で、
たっぷりとお届けしまーす!

5月23日
あいわらず「1時間休憩、15分移動」のペース。
休憩場所は、すべてスギかヒノキの高い枝でした。
並んで日向ボッコをしているうちに
体温が上がって気持ちよくなるらしく、
ホゲーッとクチを開いてしまうヒナたちでした。

▲ギュウギュウでホゲー。

5月24日
天候もよく、可愛い写真がたくさん撮れました。

いつも忙しそうにしていた親鳥が、
今日は給餌のあいまに日向ボッコをしたり、
たんねんに身繕いをしたり。
子育てにも、少し余裕が出てきたようですね。

▲羽根と足をノビーっと。

雛たちは1時間程度の休憩を繰り返します。
休憩に使う枝が広葉樹に変わりました。
全員集合することもありますが、
1羽だけ離れていたり、
二手に分かれて休む行動も見られました。

▲2羽だけ離れて休憩。

▲ああ…アクビが可愛い。どうしよう。

親はせっせとゴハンを運びます。
ゴハンの内容はといいますと、
蝶や蛾の幼虫がほとんどです。
ごくまれにクモの足のようなものや、
カメムシの足のようなものも見えます。

▲ごはん!ごはん!

5月25日
雛集団は、隠れ方がうまくなって、
葉っぱの茂ったところで休むようになりました。

▲濃い茂みでギュウギュウ。

この日の観察中、なんと、
6羽くらいの大人のエナガ群が出現し、
ヒナの両親としばらく口喧嘩?をしていました。

この時期に大人の群れが出現するとは
まったく考えていなかったので、
心底ビックリして5度見くらいしましたヨ。

大人群はすぐに飛び去りましたが、
その出現した位置と方角から考えて、
冬期群K12のうちの繁殖に失敗したメンバーが、
また元の群れ生活に戻っているのではないか、
と推測しました。

5月26日
今日も大人群が現れて、雛の親と口喧嘩?していました。
雛たちは、休憩時にあまりくっつかなくなってきました。

▲バラけた感じで休憩中。

5月27日
雛を世話する成鳥が3羽になっていました。
ヘルパーさん、いつのまに出現したの?

活動は「30分休憩して30分騒ぐ」ペースに。
雛たちの飛ぶ力が強くなっています。
これまでは親が雛の元へエサを運んでいましたが、
この日は、雛が親鳥の後を追いかけてって、
「ゴハンくれくれ」と頼むようになりました。

▲虫を仕留めている親の側へやってくる。

▲「ゴハンくれくれ〜」の顔。

それにしても、雛はカワイイ。
カワイクてカワイクて、
頭がおかしくなりそうです。
(なってません。たぶん)

5月28日
雛の体がぐんぐん成長しております。

▲並んだお尻を見ると胸がキュ〜となりません?

雛の両親と、時折現れる大人群とは、
縄張り争いしているのかな?と
心配していたのですが、なんとこの日、
大人群がいっしょに雛の世話をしていました。

大人と雛の数がおなじくらいになったので、
大人一羽につき雛が一羽くっついてる感じ。
マンツーマンディフェンスかよ、みたいな。

▲日光浴をする大人と雛。

5月29日
雛たちは、エサをまだ自分では穫れないようですが、
すっかり素早く動けるようになって、
大人の後にくっついて飛び回っています。

▲動きが素早くなった雛。

雛たちはもうギュウギュウになることはなく、
ごく短い休憩中には、一羽ずつ、
バラバラになって過ごしていました。
もう日中にギュウギュウはしないのかな?
ちょっとさみしいですね。

さて、この日の観察中、
大人達が皆で電線の上にとまって、
ピーピーピーと雛を呼びはじめました。
上空を旋回している大人もいます。

▲雛を呼ぶ七羽の大人(見える?)

昨年来ずっと観察してきましたが、
こんなに空が開けた場所で、
多数のエナガが目立つ行動をするのは、
はじめての事です。
(天敵の鷲や鷹に見つかっちゃうので)

その行動を見ていると、
どうやら雛の群れを、
南方の森へと導いているようです。

大人達に呼ばれた雛は、
素直に呼ばれた方角へ飛んで行き、
今まで(雛も私も)踏み込んだことのない、
南方の深い森の中へ、全員で入ってしまいました。
私はというと、道も無い森の中なので、
だまって見送るしかありませんでした。

明日にはまたいつものテリトリーへ
戻ってくるのでしょうか?
それとも…?

今週のエナガは以上です!
ギュウギュウの雛だらけで、
まことに、まことに、
幸せな一週間でありました。

レポートに力を使い果たしましたので、
今週のエナガ・エッセイは、
おやすみさせていただきます。

それではみなさん、また来週〜!

2012-06-05-TUE
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