第51回 身の回りにまだまだ潜む虫の謎。

地球には、把握しきれない数の虫がいて、
しかも小さかったり、
人が見るには困難な場所にいたり、
虫が擬態という術を持っていたり、
人が見て「気持ち悪い」という見た目で
人をよせつけなかったりするので、
やっぱりその生態は、
多くは解明されていないんだと思います。
でも、それにしても、
こんなに身近にいる虫のことでさえ、
そういえば、よく知らなかったな〜と、
みなさまからのメールをいただいて、
あらためて気付かされる日々です。
では、本日も
そんな身近にいるのに知らなかった虫たちのこと、
この「虫博士たち。」で、
ちょっとだけ眺めてみてくださいね〜。




エビガラスズメで間違いありません。

私の長年にわたる疑問に、
答えていただいてありがとうございます。

エビガラスズメ!!
この形、間違いありません。
これがサツマイモ畑の土にまみれて
ごろごろしていると、
本当に小さなサツマイモみたいなのです。
間違えて触ってしまい、ぞわっとしました。

ちなみに私は、ショウリョウバッタを
ずっとショウユバッタと呼び続けていた母の影響で、
「ショウユはここから採って集めているんだ〜」
と、勝手に勘違いし、
ショウリョウバッタのお尻付近から出る
黒い汁(排泄物?)を舐めてみたことがあります。
虫の正しい知識って‥‥必要ですね。
(N)

Nさんの長年の疑問が解決して良かったです!
‥‥それにしても、
ショウユバッタと思い込み、
お尻付近から出る黒い汁を舐めた、
という強烈なお話しを、ありがとうございます!
バッタを捕まえた時にバッタが出す黒い液体って、
そういえば、何なんだろう?!
と、気になって調べてみたところ、
どうやら、バッタが食べた物で、
消化しきれいてないものを、
捕まえられたときの衝撃(ショック)で、
吐き出しているらしいのですが、
詳しくはわかっていないようです。
バッタ博士がいらっしゃいましたら、
ぜひ教えてくださいね〜。


凶暴で怖い妙な虫。

うちの裏に妙な虫がいて
それがすごく凶暴で怖いのです。
なんというか長くてちょっと透き通った黄色の体で、
見かけはゴムのような形状なのですが
そいつがカタツムリやミミズに、
巻きついて殺してしまうのです。
その後、どうしているのかは怖くて確認できません。
なんでもカタツムリやナメクジのはった跡を
追跡して襲うらしいのですぅ。

家族がヤツの話をしているのを聞いて
なんのことかわからなかったのですが
とうとう先日、目撃してしまいました。

うわさに聞く虫はこれか! というよりも怖いー。
なんだか人間でも襲いそうです。
webで検索してみましたが
どうも見つからず(イヤ見つけるの怖いのかな)、
どなたか詳しい方、お知らせくださいませ。

ちなみに、うちの近所では
この虫を見かけるようになってから
カタツムリが激減!
生態系まで変わりそうなのです。
よろしくお願いします。
(kuchida)

kuchidaさん、そ、その虫はもしや‥‥、
第18回でご紹介した、
「コウガイビル」ではないでしょうか??

「餌であるミミズやナメクジ、カタツムリなどに
 体全体で巻き付いて、お腹側にある口から
 管状の口先を伸ばして、
 肉を消化しつつ飲み込む」
と、いうあたり、
もう「コウガイビル」以外思いつきません。
虫博士のみなさま、いかがでしょうか?
kuchidaさん、ちょっと勇気を出して、
画像検索を見てみてくださいね。


黄色と黒の縞々にしっぽ?

どうしてもわからない虫がいたので
お尋ねさせてください。

先日、見たことの無い虫が
職場に迷い込んできました。
なんかお尻から、
針(しっぽ?)みたいなのが生えてるし、
色も黄色と黒の縞々でなにやら蜂のような‥‥。
みんなが「蜂だ!」と、
怖がって騒ぎ出したので、
とりあえずその虫の身柄を確保して、
あちこち職員に聞いて回ったのですが、
誰もわからず、結局割と虫に詳しい人が、
「刺したり噛んだりしないよ〜」
というので、ひと安心したのですが、
ぜひこの虫の名前と、
本当に危なくないのか教えてください、
お願いします。

(拡大)

(あかぷー)

あかぷーさんの
送ってくださった写真を拝見すると、
長いしっぽのようなものが特徴ですよね。
調べてみたところ、
似ているものに、
「オナガバチ(メス)」
というものがいました。
オナガバチにも種類がいろいろいますので、
どの種か特定はできなかったのですが、
この長いしっぽは、どうやら産卵管のようですので、
オナガバチは、人を刺すことはないとのこと。
画像検索でぜひ確かめてくださいね〜!


バナナムシ?

誰が呼んだか「バナナムシ」です、たぶん。
写真は幼虫なので、本当のところは
大人になったらわかる予定。

(拡大)

バナナムシは、
ツマグロオオヨコバイという種類の昆虫だそうで、
由来は「バナナのように黄色いから」とか、
「バナナのような匂いがするから」とか、
調べてみるといろいろ言われていておもしろいです。
それにしても、
果物+ムシっていうネーミングはありですか?
ミカンムシ、パイナップルムシ、
リンゴムシ、レモンムシ‥‥どれも害虫っぽいです。
あ、イチゴムシはありかな。

えーと、幼虫の体長は4〜6mmくらいで、
大人と同じくススッと横に歩いて葉の裏に隠れます。
さらに指を近づけると、ジャンプします。
普段は葉の裏にいて、ストロー状の口で
葉の水分を吸ってます(よく見えないのですが)。
頻繁にプッておしっこします。
セミっぽいです。
全身に透明感があって、眼だけが黒くて、
すごく可愛らしいと思うのですが、
いかがでしょう?

(拡大)

(拡大)

(Susu)

Susuさんの送ってくださった写真は、
まだ幼虫ということもあり、
バナナという感じはしませんが、
小さいし透明だし、
肉眼ではなかなか見れませんよね、きっと。
ありがとうございました。

さて、成虫のバナナムシこと
ツマグロオオヨコバイ。
ほかにも名前に「ヨコバイ」とついた虫も
たくさんいるようですが、
その名前の通り、
敵などがいて危険を感じると、横に歩くんですね。
幼虫の時から同じような行動をするというのも、
なんだか面白いですね!


では、みなさまからの
いろいろなご質問やお写真など
お待ちしております。
また来週〜!



今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。
(検索エンジンgoogleのイメージ検索を利用しています。)

ショウリョウバッタ
コウガイビル
オナガバチ
ツマグロオオヨコバイ


はらだゆきこさんの虫カレンダー
(2006年7、8月)
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2006-07-23-SUN



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