第28回 What kind of insect
is in your country?
(あなたの国には、 どんな虫がいますか?)


少し前、海外で暮らしている日本の人たちに、
「こんなところにいるんですよ、
 というメールをください」
と、ダーリンこと糸井重里がお願いしたところ、
とてもとてもたくさんの国の方々から
メールをいただいたんです。

そんな中、「虫博士たち。」にも、
海外からメールが届きました!
やっぱり、虫って、
ワールドワイドですもんね。
これからも、海外の虫事情、
ぜひぜひ教えてください!

では、海外の虫博士、
パプアニューギニアから届いた、
珍しいハエのお話しをお送りします。
では、どうぞ〜。




まずは、思い切って画像をご覧ください。
一見、眼だとは思いませんでした‥‥。
長い、長すぎる!

目が飛び出しているハエ、
アキアス・ロスチルディ
(シュモクバエ科)。


パプアニューギニア在住のOIKAWAと申します。
パプアの虫をご紹介します。



実際いるのである、こんなハエが。
このハエの名前は、
アキアス・ロスチルディという。
メスも変な顔だが、
目が飛び出しているのはオスだけである。
普通日本で見るハエよりも、
一回り、二回り大きい。
しかし、このハエは、森林に住み、
人の家に入ってくことはまずない。
パプアニューギニアでも
簡単に見ることはできないので、
僕もこのハエを初めてみた時は
さすがにびっくりした。
なぜ眼が離れているのか、
まだ正確には解っていないらしい。
眼の長さは、同じ種類でもばらばらで、
長い奴、短い奴がいる。
一説よると、眼がはなれている方が
男前ということも言われている。

衛生害虫(人に迷惑をかける)として
ハエの研究は進んでいるが、
こういった迷惑をかけない、
どうでもいいハエの研究はあまり進んでおらず、
このハエの生態も良くわかっていない。

実は、僕もこのハエについて知りたい謎がある。
ハエは手(?)を使い、
顔を洗っているのをよく見かける。
その時、眼も手でこすり掃除しているのだが、
このハエ、ここまで眼が長いと
手も届かないのでは? と思う。
どうやって眼を掃除しているのだろう。
ここまで男前なら、
メスが掃除してくれるのだろうか?
(OIKAWA)

画像をご覧いただいたみなさま、
普通のハエをあたりまえだと思っていると、
眼だと言われないとわからないですよね?!
どういう世界を見ながら飛んでいるんでしょうか。

「アキアス・ロスチルディ」という名前で、
調べることができなかったのですが、
このような眼と眼が離れているハエの多くは、
シュモクバエ科というものに属しているようです。

「眼の離れているオスの方がモテる」説も、
とても気になります。
メスの取り合いで、にらみあった(?)時、
眼の幅の広さでほとんど勝敗が決まるそうで、
やはり、子孫を残すために
こんなに長くなったのでしょうか??
とはいえ、どうがんばったらそうなるのか、
本当に進化の過程は謎が多いですね。

OIKAWAさん、
遠くパプアニューギニアから、
ありがとうございました!!
OIKAWAさんは、パプアの虫について、
ブログで紹介をしているそうです。
興味のある方は、のぞいてみてくださいね〜。



今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。

(検索エンジンgoogleの
 イメージ検索を利用しています。)


シュモクバエ

 


読者の方からお寄せいただいた、
虫に関する書籍をご紹介しますね。

昆虫ブームのせいか、最近絵本も
いろいろ昆虫のお話の本が出ていますよね。
細かい部分もよく描かれ、愛らしいものが多くて、
大人もつい見入ってしまいます。

「とべバッタ」(田島征三)
大迫力の絵が迫ってくる。そして読んだ後の爽快さ。
元気がでます!

前にこちらでも紹介されてました、
漫画家の秋山亜由子さん。
子ども向けの絵本
「くものすおやぶんとりものちょう」も、
またいいんです!
まえに姪っ子に買ってやったのですが、
今度は自分用に買おうかな。
(しましま))

随分昔に、NHKみんなの歌で、
「とべバッタ」の歌が流れていて、
その歌と絵に圧倒され、
ものすごく記憶に残っています。
絵本があったとは知りませんでした。
また、秋山亜由子さんの絵本は素敵ですね。
ぜひ拝見したいと思います。
ありがとうございました!

2006-02-12-SUN



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