第11回
恐怖? カマドウマ VS アオムシコマユバチ


ほぼにちわ。
本日は、カマドウマとアオムシコマユバチのお話しです。

さて、いきなり想像ゲームですが、
人生一度はどちらかの虫に遭遇しなくちゃいけないと、
そういうことになっていたとします。
もちろん、本当はどっちにも遭遇せずに、
日々心安らかに過ごしたいところですが、
自分を鞭打って、奮い立たせて選ぶとしたら、
私は、カマドウマにします。
びっくりして終わりですからね、我慢します。
それに比べて、アオムシコマユバチに寄生されたアオムシ。
それはもう、ふか〜いところに、じわじわときいてきて
夢にまで出てきてしまいそうな感じですからね〜。
遭遇したらしばらくショックが残りそうです。

さあ、みなさんはどっちにしますか??


この世のものとは思えないカマドウマ

この虫凄く強烈です。
ジャンプ力が半端じゃありません。
成人男性の腰くらいまでは跳躍します。
この虫特有の「夜行性」「攻撃性の高さ」等とも合わせて
恐怖は倍増。人間にも臆することなく飛び掛ってきます。

一軒家、屋外にペット等を飼っている方に参考までに
遭遇方法を掲載させていただきます
(そのほうが遭遇率が率が高いですから)。
軒下に通風口があると思うのですが、
そこへゴキブリホイホイを設置。
おそらく信じられない光景が
あなたを待っている事でしょう。
注)最近はちょっと寒いので
  どの程度捕獲できるかは期待薄。

だいぶ前になりますが、
友人に見てもらった所、感動してましたよ。
それは別に彼が虫好きと言う事ではなく、
純粋にこの世のものとは思え無い
その光景に対する感動がそうさせたのだと思います。
寒い日には殆ど遭遇できませんのであしからず。

ちなみに私の家では合鴨を飼っています。
その友人が自分の家でも試したようですが、
彼は犬を飼育。
何故かあまり効果は無かった様子。
理由は残念ながら不明。
(yo)

幼い頃、田舎に行くとおばあちゃんが、
「便所こおろぎ」だと言っていたのが
カマドウマだったんですね。
多湿、冷暗な場所に生息するそうなので、
トイレなど最適な場所と言えそうです。
合鴨も比較的涼しいところ(直射日光など当たらない)で
飼われていて、水場もあり湿気も多いことを想像すると、
犬の近くよりも、
カマドウマが出やすい環境なのかもしれませんね?

アオムシコマユバチの寄生

蝶々ラブの大学院生女子です。
理系ですが生物は扱っていません。
何でも飼ってしまう癖があります。

私の好物はきゃべつなので、
たまにあおむし付ききゃべつに当たります。
とりあえず外側の葉っぱを一枚分けてあげて、
隣で一緒にきゃべつを食べるのです。
シロチョウのあおむしはどうも特別。
他人のような気がしないっていうか。

時々思い出すのは一昨年育てたあおむしのことです。
そろそろ蛹になるかな、というあたりで
何故か落ち着きなく歩き回るばかり。
なんとか、からだの周りに
細い糸を張ることは出来ましたが、
前蛹になる気配がありません。
この辺でどうもおかしいと思い、
インターネットでいろいろな情報を集めました。
疑わしいのはアオムシコマユバチによる寄生です。
蛹化のためのホルモンが阻害されるので
落ち着きなく動き回る、
とか症状もあっているようでした。

それから2日程たって、
ついにコマユバチの幼虫がぞろぞろと
あおむしのからだを喰い破ってでてきました。
この時のショックは今でも忘れられません。
一晩中ぼろぼろ泣きました。
(あまりにホラーなので写真は貼りません)
でもそれよりもっと恐ろしかったのは、
そんな状態でも目をそらさない
観察者の目を持つ自分です。
自分の理系成分と女子成分が同時に見えた気がして、
でも本物の乙女は
あおむし死んだって泣かないよなあ、と。

今は買った青菜についていた
かたつむりを飼っています。
友達からは大ひんしゅく。
多分来年もまたあおむしが家にやってきたら
飼ってしまうんでしょう(懲りてない)。
因果な性分です。
(sardanapalus)

アオムシコマユバチを調べていて、
たくさん画像を見たのですが、
これはもう衝撃的ですね‥‥。
わらわらとか、ぽろぽろとか、数の多い系に弱い人は、
今日の画像検索はしない方がいいかもしれません。
どうやらモンシロチョウの幼虫に寄生するようで、
100匹のアオムシのなかで、
チョウになれるのは10匹以下と言われるほど、
このアオムシコマユバチは、モンシロチョウにとって
天敵中の天敵のようです!


今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。
(検索エンジンgoogleの
 イメージ検索を利用しています。)


カマドウマ アオムシコマユバチ

 



ほぼにちわ、シェフです。
机に戻ってきたらこんな本が置いてありました。



なんですかこれは。



『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』?!
全国農村教育協会、3670円、って‥‥。

スギちゃんスギちゃん(このコンテンツの担当者)、
これ何?!

「あ、それはですね、
 イラストレータのはらだゆきこさんが
 “愛されない虫の広場R”宛に
 送ってくださったんですよ。
 私は見てませんけど、
 ぜひ読んで、感想を書いてくださいね。
 任せましたよ。お願いしますよ!
 私は見てませんけどね」

あ、はい‥‥って、そもそもですね、
「原色図鑑」という、
よいこたちがワクワクとするシリーズ名とですね、
『野外の毒虫と不快な虫』という書名がですね、
もうまったくそぐわないんですけど。
それに「不快な虫」っていうのは何?
図鑑なのに客観的じゃないタイトルだよ?

「まあいいじゃないですか。
 ほんとに不快かどうか、
 ちゃんと読んでくださいね。
 私は見ませんけどね。
 それじゃ、わたし彼と約束があるので
 お先に失礼しまーす」

‥‥って、スギちゃん、スギちゃーん!!
ああ、行っちゃった。
やだなあ、もう。だって、表紙からして
「肉団子をつくるセグロアシナガバチ」
なんですけど‥‥
開きたくないんですけど‥‥
と思いつつ、これも愛する愛されない虫の広場Rのためだ。
って、愛してるの愛してないのどっちなの!
いや愛してますってば、いや愛してないんだけど。
だからどっちなの!
とか言ってないで、読みます読みます。
読めばいいんだろう。

(読む。というか見る。ざっと約15分後)

‥‥‥‥。

あのですね、画像が転載できませんので、
いまの私の状況や精神状態をですね、
おわかりいただくことは不可能かと思いますがね、
ぷつぷつぷつぷつ。
あわわわわ、首筋の鳥肌が消えません!
ほんとに鳥肌? 虫が卵うんだんじゃないだろうな?
そんなことを考えていたら
本をめくる手がかゆくなってきました!

まずね、原色図鑑というだけあって
カラー写真がふんだんなわけですよ。
それも「ヒメフンバエ成虫」などの
単体での写真はまだいい。
問題は「吸血中のニッポンシロフアブ成虫(雌)」
とかの画像がすごいの!
皮膚にはりついて吸血中なの!
血とか出てるのに撮ってるの! たぶん自分で!
そういうのがこれでもかって出てくんの!
いったい何匹に吸わせたの!
さらに「ドクガ幼虫による人体被害」とか、
ぷつぷつになったとことかばっちり出てんの!
あー、かゆくなってきた。

‥‥でも、そりゃそうだよな。図鑑だもん。
どういうふうに毒性があるか説明すべきだもんね。
編者、すごい根性だと思った。

さらに「護岸に密集した
アカムシユスリカの成虫(諏訪湖)」
とかいう写真が、1ページに拡大されて
載ってたりします。
アカムシユスリカは、本書における
グラビアアイドルの位置づけです。
「大きくしてやりましょうよ編集長、
 うっひっひっひ!」
という、編集部員の声が聞こえてくるようです。

あとは「卵ぎっしり系」「幼虫うねうね系」
「巣」なんかの写真が、これでもかと載ってます。
ちなみにですね、有害ぐあいは
「有毒」「吸血」「刺咬」「媒介」
「不潔」「不快」「無害」に分類されています。
「不快」というのは、悪臭や刺激臭を分泌したり、
体液で衣服をよごしたり、
大量発生で生活環境が不快になるってことらしいです。
「無害」って、無害なら載せなくても
いいんじゃないかと思うんだけど、
なになに、「単に形態や行動が多くの人に
視覚的な不快感を与えるもの」かあ。
ちょっとね、それは虫がかわいそうな気もするよ‥‥
と思い、どんな虫が「不快」とされているのかを
探してみたら、「野外性のゴキブリ」なんかがこれでした。
なるほどね。
あと、実用面としては「毒虫に刺されたときの対処」が
きっちり掲載されているので、
一家に一冊常備なさると安心かもしれません。
でもくれぐれも小さなお子さんに「読み聞かせ」は
しないほうがいいと思います。

はぁ‥‥1冊、写真をたっぷり見た結果、
ぼくの苦手分野は「卵」だということがわかりました。
オビカレハの卵とかってすごいよ。
(これはGoogle画像検索でお楽しみください。)

あ、家の中にいるゴキブリとか載ってないよ?
と思ったら、本書には姉妹書があるようです。
『原色図鑑 衛生害虫と衣食住の害虫』といいます。
4200円、全国農村教育協会より発売されております。
興味のあるかたはぜひどうぞ!。

2005-10-16-SUN



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