DOCTOR
Medic須田の
「できるかぎり答える医事相談室」

年末年始の「ほぼ日」は、
何かお役に立つようなことを!
(やろうとしたけど、無理だったかな?)
 

Medic須田さんの、1999年のお年玉的なコラム。


1.この1999年は、有名なアンゴルモアの大王が、
なんかしにくる年らしいのですが、
ヤツから(           )を守りたい。
この、(  )の中にコトバを挿入して、
そのことについて、考えとか意志とか理由とかなんでも、
たっぷり書いてください。


カッコに入れる言葉は 
「最近デスクトップの壁紙にするくらいお気に入りの
 本上まなみ」
とでも書いておきましょうか。
向こうが守って欲しいと思っているかどうかは
ともかくとしてね(笑)

なんて冗談はともかく.....

アンゴルモワの何とかいう生き物(?)は
世間でも騒ぎになっているし、
ガキの頃は僕も相当凝りましたねぇ。
やれ、あれは「核兵器だ」だの、
「イヤ、大気汚染だ」だの、「宇宙人の襲来だ」だの
騒いでいた覚えが僕にもありますし、
最近ではひょっとしたら
「環境ホルモンだ」
なんて騒いでいらっしゃる人もいるんじゃないかしら。

でも、最近は世間ずれしたのか、
そんなことはどうでもよくなっちゃいました。
むしろ、
「そういう無責任な予言をさらに無責任に解釈して
厭世観に浸っている馬鹿が周囲にまき散らす悪影響」
の方が心配なのです。

ダメおやじの作者で、蘊蓄をたれるのがお得意の
古谷光敏さん(この字で良かったのかな?)が
どこかでこんなことを書いていました。

「アメリカのある社会学者が、
ノストラダムスを初めとする終末予言に
踊らされた若者たちがセックスやドラッグに
走っていく可能性が高いことを指摘した 云々」

正確ではありませんが、趣旨はお分かりかと思います。

結局、予言の当たり外れなんてのは
分別のある大人としてはどうでも良いことで、
むしろ、こういう無責任な予言(及びその解釈)を
あちこちで振りまく大馬鹿者たちから、
「ああいう人の言うことを真に受けちゃいけません」
という言葉で子どもたちを守ってやることが
必要なのではないかと思うのです。

で、ここまでを踏まえて皮肉たっぷりに
「アンゴルモアの大王」=「そういう大馬鹿者たち」
と置き換えた上で、新しくカッコに入る答を書くと、

「大人としての節操」

ということになりますかね。


2.「ほぼ日」の読者に、どういうことを期待してますか。
よく読者に筆者への注文をたずねたりしてますが、
ここでは逆なんです。


僕の書く連載に関しては、題名の「できるだけ答える」
にひょっとしたら反しているのかもしれませんが、
内容はあまり豊富ではありません。

本当はもっと調べて調べて、
推敲に推敲を重ねて書いてみたいのはやまやまなのですが、
インターネットというメディアの性格上、
そんなものを書いても読んでくれる人は少ないでしょうし、
多くの人は楽しくも何ともないでしょう。

ですから、内容の方は程々に、
「医学に関することで楽しんでもらおう」
ということの方に6:4くらいで重きを置いて
書いているつもりです。
その点を頭の片隅に置いて確信犯的に楽しんで下さると、
書く方としてもとても嬉しく思います。

もちろん、内容に間違いがあったり意見があったら
どんどんメールで送っていただきたいですね。
(この間の電磁波の記事についての
 間違いの指摘みたいにね)

また、最近、かなり深刻な医療相談を
メールで頂くこともありますが、
僕は一介の学生に過ぎませんから、その点を斟酌した上で、
メールして下さるとありがたく思います。
ただ、日増しにメールの数も多くなってきておりますから、
すべてに答えることは不可能ですが、
暇を見繕ってお答えしていく気はありますので
懲りずにメールして下さると
こちらとしても嬉しく思います。

あと、愛人志願のメールも
(「またそれか」というツッコミが後ろから聞こえる....)


3.いっちばん好きな食べ物はなんですか?
おせちに飽きている読者に、教えてください。
できたら、いますぐ食べたいと思わせるくらいに、
たっぷり、強くおすすめくださいませ。
4.ヒマでこまっている、正月の読者のみなさまに、
ヒマのつぶしかたを伝授してください。
本なら書名とか、なるべく具体的にお願いします。


面倒なので、3、4をひとまとめにして
答えちゃいましょう。

僕は暇があるときは料理をするのが好きで、
以前はかなり凝っていたのですが、
最近は実習で暇がなく、なかなか料理が作れません。

で、そんな僕のお薦め
「ビーフシチュー」の作り方を披露しましょう。

お、そこのお嬢さん、
「ハウスビーフシチューの素」なんてのを
使っちゃいけません。
それは女がすたるってもんでしょう。
もちろん、チンチンの付いた生き物ども(笑)も、
たまには料理に手間をかけましょうね。

(1)ブーケガルニを作り、野菜を切っておく
(2)肉に小麦粉をまぶしてフライパンで焼く
(3)焼き上がった肉を別の鍋に入れる。
(4)肉を焼いたあとのフライパンに赤ワインを
   たっぷり入れて肉の旨味を全部ワインに溶かす。
   ワインは沸騰させてアルコールをとばす。
(5)(4)のワインを鍋に入れて、水と野菜を加えて
   煮込み、灰汁を取り続ける。
(6)灰汁がある程度取れたら、
   トマトピューレと野菜ジュースを加えて
   さらに煮込み灰汁を取り続ける。
(7)隣のコンロで、フライパンを使ってカラメルを作り、
   これを煮汁で溶かしながら鍋に入れる。
(8)同様にブールマニエを作って鍋に入れる。
(9)煮込んでできあがり

って、これでも結構はしょったんですが、要は
「料理は手間をかければ美味い!」
ということが言いたかったのです。

例えば、「野菜を切る」と書いても、
手間をかけようと思えば、面取りをするでしょうし、
入れる野菜も多くなることでしょう。
(おすすめの野菜の一例は
 人参・タマネギ・カブ・大根・セロリ・ジャガイモ)
煮込むときにも、各々の具の煮え具合を考えながら、
時間差で野菜を入れていくことでしょうしね。
ブーケガルニを作るのに使うものも、
人によって種類は様々でしょうし.....

とまあ、こんなことを書いていくと
切りがないのですがねぇ。

ともかく、
世の女性にも、チンチンの付いた生き物どもにも
正月には是非とも手間のかかるメニューにトライすることを
おすすめして締めくくりましょう。

メディック須田=森宏太郎                        

1998-12-27-SUN


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