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新しい船出。
糸井重里です。



これまで、だいたい毎年、6月6日を迎えるごとに、
ほぼ日刊イトイ新聞の創刊から何年経ったかを勘定して、
それを人間の年齢と重ねあわせては、
「ほぼ日」も中学生になりました、だとか、
一丁前のふりだけはできる年齢です、だとか言ってきました。



その年その年で、ここまでは生き続けてこられたんだ、
というよろこびはありました。
乗組員一同の成長と共に、記念の日を迎えるわけですから、
それはもう、うれしいに決まっています。



その晴れがましいような昂揚感と同時に、
じぶんたちの力の足りなさにも気づいていたつもりです。
そっちは、ちょっと怖いような、不安な気持ちでした。
でも「まだ二十歳前だし」と、猶予期間をあてにして、
二十歳までにほんとうの力をつけておこうと、
なにかを先延ばしにしてきたようなところもあります。



そして、わかっていたことですが、とうとう、
この2018年6月6日に、ほぼ日刊イトイ新聞は
創刊20周年を迎えることができました。
これまで以上のよろこびがあります。



ずっと恐る恐るに問いかけてきた
「ぼくらは、あってもいいですか?」という質問に、
とりあえずは「ま、いいよ」と
言ってもらえたように思えるのです。
曲がりなりにも20年続けてこられたんだものね、と、
努力賞をいただけたのかもしれません。
うれしいです。



さて、です。これからのことを思います。
「ほぼ日」はあってもいいですか、いてもいいですかの
次は、二十歳になった成人としては、
「あったほうがいい、あってほしい」と、
世界から望まれるようになりたいものです。
そういうふうになるには、また、
たくさんの試みや実績が必要なのだと思います。
でも、ぼくは、できるような気がしています。
まだまだ弱いところもあるのは知ってますが、
乗組員のひとりひとりも、チームとしての「ほぼ日」も、
けっこう二十歳なりの力はついてきてますから。
これを読んでくださっている人を含めて、
「ほぼ日」というチームは成長していると思っています。



これまでよりも、じぶんたちに大きめの期待をしてます。
「できることをしよう」の「できること」が、
ちょっとは大きくなっていますから。
成人してからのほぼ日刊イトイ新聞と、
「ほぼ日」というチームを、
どうぞたのしみにしててください。



やさしく、つよく、おもしろく。
今日から、また、新しい船出です。
夢に手足をつける仕事を、やっていきます。



これまでも、ありがとうございました。
これからも、ありがとうございます。





2018年6月6日

ほぼ日刊イトイ新聞

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