糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

2020年8月19日の「今日のダーリン」

・いますぐではないのですが、
 「人と話」について、
 「ほぼ日」を読んでくれている人たちから、
 ご意見をいただくような企画を考えています。

 じぶんのいままでの経験のなかで、
 この人の、こんな話を聞いたことが、
 いまでも胸に残っているというようなことって、
 だれにでもあると思うんですよね。

 他の人には言えないことなんかも含めて、
 あのとき、あの人がしてくれた話は、
 忘れられないなぁということ、ぼくにもあります。
 個人として、ぼく自身に向けて話されたこともあるし、
 そこに集った複数の人たちの前で話されたこともある。

 小学校のときのおばちゃん先生が、
 跳び箱を前に話してくれたこと、
 よく冗談を言う高校の国語の先生が、
 たまに見せる真剣な表情とその話。
 吉本隆明さんが話してくれた、あのことこのこと。
 矢沢永吉さんの語ってくれたことは、最近もあるなぁ。
 ああ、指折り数えたら山ほど思い出せます。

 人が声を出して語りかけてくれることは、
 人の耳からこころに伝わってきます。
 もちろん、書いたことばを読むことも、
 人の目からこころに伝わってきますが、
 どういう理由でか、声から耳へのことばのほうが、
 印象深く覚えていたりもする。
 このことを、「とてもありがたいこと」として、
 考えを進めていこうと思っています。

 そうだ、当面の試みとして、
 「この人がしてくれた、こんな話」というテーマで、
 いつものここにメールをくださいませんか。
 有名な人の講演だとかでもいいですし、先生や、親、
 祖父や祖母、友人、上司、こどもからというのでもいい。
 テレビやラジオなんかから聞こえてきたことでもいい。
 「人が人の話を聞く」って、学びの原点かもしれません。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
熱中症に気をつけるあまりに冷房病になりかけてませんか。