第4回 バカになっちゃうんです。

イトイ 2回目の断食っていうと、
思考のほうはどうでした?
1回目よりも、頭はよく回りましたか。
もりかわ うーん‥‥
ふつうの生活を送る上では大丈夫なんです。
でも、仕事ができない‥‥。
バカになっちゃうんですよ。

イトイ ああ、仕事だとダメ。
もりかわ ひどかった、結局なんにもできなくて。
イトイ (笑)たしかに、あの絵は危うかったよね。
もりかわ みんなに「怖い」とか言われましたね(笑)。
イトイ 絵のほかには?
どんな仕事を持っていったんですか。
もりかわ アイデア出しです、ゲームのアイデア。
“自動生成のアルゴリズム”を考えるっていう。
イトイ それ、できないでしょう(笑)。
もりかわ できない。
そもそも、そんな仕事を持ってくるなと(笑)。
できるわけがないんだから。
イトイ でも読者からの質問には、
とても上手に返してたじゃないですか。
もりかわ いや、あれにしてもたいへんで、
メールの管理がうまくできないんですよ。
「メールをもらったら、返事を書くんだよな。
 あれ? もらったメールはどこだ?
 とにかくソートだ、検索するんだ。
 ‥‥ええと、なにを探してたんだっけ?」
って、ずっとそんな調子で。
イトイ そんなに?
もりかわ 「落ち着け、落ち着いてよーく考えろ、
 冷静になって考えれば大丈夫、
 ぜったいに大丈夫だから!」って、
自分を励まさないとメールひとつ書けない。
イトイ はぁ〜。
なにに似てるんですか? そのバカさは。
もりかわ あれは、なんなんでしょう‥‥。
徹夜、かな。
3日くらい徹夜した感じ。
イトイ そうとうですね、それは。
もりかわ ええ。
ただ、日常は送れるんですよ。
あいさつはきちっとできるし、
カギのありかもわかっている、
部屋にも迷わず帰れますから。
イトイ ということは、あれですね。
イチロー選手でいうと、
バッティングの記憶を蓄積していく脳の部分は
生きているっていうことだよね。
もりかわ そう、古い脳は生きている。
イトイ で、だめなのは海馬ですね、きっと。
短期記憶みたいなところ。
もりかわ ええ、短期記憶はむずかしかったです。
‥‥あの、ほら、
テキスト中継で何点かイラスト送ったでしょ?
イトイ はい、ゆるい細胞のイラスト。
もりかわ あれ、オリジナルのファイルがないんですよ。
どうやらオーバーライトしてるの。
イトイ 上書きしちゃった。
もりかわ 保存に失敗してるんです。
イトイ バカだねぇ(笑)。

もりかわ ほんとに(笑)。
まあ、ですから、
コンピュータのいろんな法則っていうのも
実は短期的なところにあるような‥‥。
イトイ うん、そうでしょうね。
ものを食べるとか呼吸することと同じように
コンピュータを使っているつもりだけれど、
ぜんぜん浅いところにあるんですよ、やっぱり。
で、スイッチが入ったからだっていうのは、
「浅いところの情報はなくなってもいいや」と、
そのくらいに判断するんでしょうね。
(続きます!)
 
 
 
2007-07-02-MON
 
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