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手仕事の未来。

去年、「ほぼ日」さんのインタビューで、
みんなが手仕事を捨てていくなか、
私は好きなんだから、
じゃあ、自分でやるかとなっても、
作ったもので生活の糧を得れるわけではないのだし、
自分で作っていくという方向も、
考えていくと行き詰まる‥‥
というような内容をお話したと思います。

バカみたいに、ありのままを話し、
しかも「ほぼ日」さんが
よくそんな将来性のない話を記事にしてくださったな・・・
と思いますが、
あのときは、ほんとうにそうでした。

そして、TOBICHIの座談会「手仕事に未来はある」
陶工の鈴木照雄さんや 
岩立フォークテキスタイルミュージアム
岩立広子さんとお話をし、
またラオスに戻り、今にいたりますが、
今は去年の秋と違って、
するべきことがはっきりみえています。

この地味な手仕事の白生地を作るということです。
実際、今やっていますが質の高いものは、
本当に全く経済に合わないことが、
よりはっきりしています。
そして、どんなに時代が変わっても、
この質のよい綿の栽培から手掛ける、
地味な白生地は消してはいけないと
はっきり思っています。

絶対に消したくないと執着しているのは、
この白生地づくりなんだなということが
すっきりしました。

どんなに時間がかかろうと
そう思ったのであれば、
それをしていく。

そうありたいと思いますが、
できるかどうかは、また別の話で、
それはとっても孤独なことだろうと思います。
その孤独に耐えられるのかなと思うと、
まずだめだろうなと思うのですが、
それでもやれるところまでは、やってみたいと思っています。

2016年5月