── ブライアンさんは、いろんな経験をされて、
たくさんのサーカスやエンターテインメントに
関わってこられたと思うんですけど、
このシルク・ドゥ・ソレイユというグループが
ほかと違うのはどういうところなんでしょう?
ブライアン 私は、もともとは、
もっとトラディショナルなサーカス団にいて、
そこからこのシルク・ドゥ・ソレイユに
移ってきました。
ここに入ってもっともうれしく感じたのは、
会社の中に、ひとりひとりが助け合う、
みんなで手を差し伸べるような
システムがあるということでした。
── みんなで助け合うシステム。
ブライアン はい、そうです。
たとえば、あるサーカス団にいて、ケガをした。
おそらくそこではこう言われるでしょう。
「2週間以内に治らなければ、クビだ」と。
で、実際にすぐ新しい人が準備される。
── 厳しいですね。
ブライアン しかし、シルク・ドゥ・ソレイユでは、
ケガ人に対してもつねにケアがある。
保険もあるし、設備もあるし、
ひとりひとりがきちんとしたケアを受けられる。
それは、パフォーマンスをする人にとって
シルク・ドゥ・ソレイユという会社の
大きな魅力のひとつです。
── なるほど。ショーのクオリティとか、
エンターテインメント性の高さよりも、
「会社としての魅力」のほうを
まず挙げられたのが、興味深いです。
ブライアン そうですね。シルク・ドゥ・ソレイユは、
会社としてとてもユニークで魅力的です。
もともと、小さい集まりからはじまって、
いまはこれだけ大きく成長したんですが、
本来持っていたよさというのを保っているんです。
たとえば、組織の上にいる人たちは、
現場で働いている人たちが
働きやすい環境をしっかりとつくる。
問題があれば、すぐに集まって、
それをどう改善すべきかを話し合う。
つまり、パフォーマンスするアーティストと、
それをサポートする会社の人たちが、
つねにコミュニケーションをとりながら
いい環境をつくっているのが
シルク・ドゥ・ソレイユではないでしょうか。
── そういう会社だからこそ、
またいいアーティストが集まる、という
いい循環を生んでるのかもしれませんね。
ブライアン イエス、イエス。
いま、シルク・ドゥ・ソレイユで
働いてる人たちっていうのはやっぱり、
「ここで働くことが夢だった」
というふうに思っている人が多いんです。
── あー、なるほど。
ブライアン たとえばオリンピックに
出ていたような人たちがいる。
彼らは競技のためにすべてを捧げてきましたから、
当然、ショービジネスというものを知らない。
そのためにこの会社で学ぶわけです。
また、会社の方針のひとつとして、
パフォーマンスをしながら
大学に通って勉強する人たちのことを
サポートしているんです。
プログラムもありますし、奨学金もあるんです。
どうしてそういうことをしているかというと、
もしもパフォーマンスできなくなったとき、
仕事がなくなってしまったら困るじゃないですか。
そのときに大学を卒業してなにか資格や、
専門的な技能を持っていれば、生活に困らない。
そういうところまでちゃんと考えたうえで
いろんな制度があるんです。
だから、ひと言でいえばシルク・ドゥ・ソレイユは
「思いやりのある会社」だと私は思います。
── ああ、なるほど。とってもいい環境ですね。
ブライアン ですから、ここにいる人たちは、
いま、自分たちがもらっている誠意に
本当に感謝して、毎日を過ごしていると思います。
‥‥まあ、そうはいっても、人生のなかで、
文句を言うことだってあるわけですけどね。
私だって、いま、こうやって、
ショーの直前の6時15分から
日本人にインタビューされるという
ひどい目に遭ってるわけですし。
── !! (笑)!
ブライアン 冗談ですよ(笑)?
── いま、クラウンの目になりましたね(笑)。
ブライアン (笑)
(ブライアンさんへの取材はこれで終わりです。
 つぎの取材をお楽しみに!)



ブライアン・デュハーストからの
メッセージ。

最後は、ブライアンさんからのメッセージです。
「カメラに向かってメッセージを」
頼むほうも照れくさいですけど、
頼まれるほうはもっと照れくさいですよね。
しかし、そこは、百戦錬磨のクラウン。
すっとアドリブで語ってくださいました。
76歳のクラウンからのメッセージをどうぞ。

シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京の
トライアウト公演は
こちらのサイト
チケットが販売されています。

2008-06-12-THU




(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
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Photo: Tomasz Rossa Costume: Dominique Lemieux